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ごめんね、凌斗

1月9日23:30

もう⋯凌斗は寝ている

あの後由紀お姉ちゃんと、一緒に夜ご飯まで食べて凌斗が寝てから帰るって事になったから遅くまで話し込んでしまったのだ


とりあえず⋯用意⋯するか

「あ、しずちゃんそろそろトラックが来るはずだよ」


「わかったー」

来て⋯しまったのかこの時が

お父さんの遺言、いや計画書通りにことを進める時が

もう見たくないけど改めて見るとほんとにこれって⋯予言してるようにしか見えないよ


事を起こすまで見るなって⋯言われてるけど今見返すとこんなに当たってるなんて⋯


・雫は2024年12月31日凌斗の家に帰る


・凌斗は________する


・雫は____で___する


・由紀は真帆の生まれ変わりにコンタクトを取る


・雫は______で______

これ全部当たってるのがほんとに怖い⋯

けど、確かにこの予言で家の危機を防いでたってのは言われてたのは知ってるけど⋯

お父さんって⋯ほんとに凄かったんだ


「そうだ⋯荷造りか⋯」

お父さんの予言であるこの家でやる最後のこと

私が頑なに拒否し続けた最後の嫌な予言


それ通りに行動しなければ不幸が襲ってくるとか言われてるからそれ通りに行動するしかない⋯


そして、私が嫌だと拒否し続けたもの

それは⋯



凌斗が転校する前に失踪すること



私はそれをしたくなかった

この予言書を見た時から頑なに拒絶したけど⋯それでも私は、この事実を受け止めて実行しようとしている


だから⋯かな


あの時からずっと、ずっと⋯


お父さんのこと恨んでるわけじゃないけどお父さんをこんな風にした奴のことがほんとに大っ嫌いになったし⋯それにお母さんを何処かにやったやつが嫌になった


それと⋯この久遠の家に産まれたこと全てに後悔してしまっていた


だけど⋯こればかりは大好きな二人の事まで嫌いになることになるから嫌だ

だからもうこのまま従おう


凌斗の為に


そして、私も知りたいお父さんが死んだ理由を知るために

私は失踪する


「しずちゃん?」

部屋に訪れたみたい

もうトラック来たのかな


「大丈夫、なんでも⋯ないよ」


「ほんと?」


「うん⋯ほんとに、なんでもない」


「分かった⋯」


「由紀お姉ちゃん?」


「ううん、私もなんでもないよ。ただ、凌斗君に何か残せたら残した方が、いいよ」

りょーとに何かを残す⋯か

そういえば⋯こういうことがわかったからか残さなきゃって書いたやつがあった


「それは、あるよ。りょーとに残せるやつ⋯」


「それは、どうする?リビングに置いとく?それとも⋯」


「リビングの方がいいかな⋯私の部屋は見られたくないから」

と何故か分からないが笑ってしまった

笑えるはずもないのに⋯

どうしてだろ⋯

でも、分からないからこそ笑ってしまっているんだろうね


「しずちゃん、用意が終わったら少しいい?」


「う、うん。いいよ?」


「わかった、それじゃあ待ってるね」


「うん」

ありがとう⋯お姉ちゃん⋯


今の私にそういうことしてくれると⋯もう私の心折れちゃうよ⋯


でも、そう言ってる場合じゃない⋯


やってやる⋯

ここまで来たんだ⋯


嫌だけど⋯


でも、もう⋯迷う暇なんてないんだ


決意をして私はりょーとの部屋に行く


「今見たら⋯後悔しちゃうなぁ⋯」

もしかしたらもう一生見れなくなってしまうくらいに今感極まっている


凌斗⋯

私、行ってくるよ


「ありがとう、りょー⋯」


「行かないで⋯」


あ⋯


「行かないで⋯お姉ちゃん⋯」


だめだ⋯

もう⋯これは⋯


「⋯っ、凌斗⋯」


「行かないでよ⋯お姉ちゃん⋯」


「ごめん⋯ごめんね⋯私、ほんとに⋯っ何も⋯何も出来なくて⋯守れなくて⋯っほんとに⋯っほんとに⋯ごめん⋯」

我慢していたものが


耐えていたものが


いっぱい


いっぱい、いっぱい


いっぱい、いっぱい、いっぱい


溢れてしまう


辛さが、悲しみが、苦しみが


溢れ出した


もう、全部全部


耐えきれなくなってしまったんだ


でも、もう迷わない


私は⋯頑張るしかない

これ以上、迷ってられないんだから


「ごめんね⋯凌斗、でもありがとう⋯また会おうね」


もう、振り向かない


ごめんね、ごめんね⋯


何度でもごめんねって言うよ


ありがとうって言うよ


また会える時に


笑顔で会えるように⋯

私は凌斗の部屋から出た


「終わったよ、由紀お姉ちゃん」


「はーい、トラックに荷物は全部積んでもらったみたいだからゆっくりして大丈夫だよ」


「も、もう終わったの?」


「うん、そりゃあセントルイスに従事する者としてそれぐらいのことは出来ますよ〜」


「なんかお姉ちゃんキャラ崩壊してるような⋯」


「え?あ、いや、その⋯」


「ううん、大丈夫。私の前では素のお姉ちゃんでいていいんだよ?」


「もう、どっちがお姉ちゃんか分からなくなるじゃないですか⋯おいで?」


「うんっ」

静かにお姉ちゃんに抱きつく

不安な気持ちがいっぱいだけどそれでも私お姉ちゃんがこういうことしてくれるから頑張れる


「落ち着いた?」


「うん、完全に落ち着いたっ」


「良かった、でも空元気なしずちゃんは私みたくないぞ〜?」


「でも大丈夫だもんっ」


「それなら、いいけど〜?」


「?」


「ふふっ、それじゃあ⋯行こっか」


「うん」

行こう

この、茨かもしれないこの道を


どんなに、過酷でも


大変でも辛くても


また、笑って凌斗に出会えるように


私、頑張るよ凌斗


「行ってきます、凌斗」

いつもご飯を食べるリビングに手紙を置いて私はこの久遠の屋敷から旅立つのであった


時刻は24:00を越えていたくらいだろう

私たちは静かに夜の闇に消えていった



【凌斗へ、この手紙を読んでる時には私は居ないでしょう。分からない、よね私だって分からない。だって、最初に⋯雫は2025年1月9日の深夜失踪する、なんて言葉を見た時絶句した。有り得ないだなんて思った。でも、これが久遠家の使命なんだって思った。凌斗知ってる?お父さんは予言をして久遠の家の危機を回避してたんだって。でも、お父さんは自分の死は予言出来なかっただなって思ったんだけどさ、それは⋯本当は怖かったんじゃないかなって思う。いきなり⋯何言ってるか分からないだろうけど、これが真実なんだ。お父さんは、殺されたんじゃなくて才能を利用されて自殺したんじゃないかって私は思ってる。だから、凌斗。久遠の家を恨まないで、私を嫌わないでね⋯ごめんね。でも、こんな私の事お姉ちゃんだと思ってくれてありがとう。最後に、凌斗の事大好きだよ。PS.私と凌斗の事なんだけど実は衝撃の事実があったんだけどそれは、もう知ってるかな?知らなかったら、由紀さんに聞いて全て知ってると思うから】


to be continued


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