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エピローグ
最近、朔夜の部屋に行くと結婚情報誌が目に留まる。リビングのテーブルの上、ソファーの上、キッチンのテーブルの上、玄関の棚の上に置かれていたこともある。
陽毬が雑誌に目をやると、朔夜がこちらを注意深く観察していた。ガン見である。
(…これは)
匂わせているのか、陽毬の方から言うのを待っているのか。はたまた心の準備をしておけというメッセージか…。
「陽毬」
怪訝な顔で雑誌を見る陽毬に朔夜がキッチンから声をかける。
「何?」
「明日、ちょっと付き合って欲しいところがあるんだ。一緒に来てくれるか」
「良いよ、どこに行くの?」
「…明日教えるよ」
意味深な笑みを浮かべる朔夜は言葉を濁し、教えてはくれない。
(もしかして…)
陽毬の脳裏に浮かんだ一つの可能性。
答え合わせをする明日まで、陽毬は悶々として過ごした。
朔夜は何度も繰り返した下見を経て、陽毬を連れて行くのを楽しみにしていた。




