初めての村
最初の村へ向けて朝早く家を出た。
カルム「それじゃー行ってきます。」
ガルム「少ないけどこれを。」
っと父からお金を受け取った。
クレーター「貴方の健康だけを心配してるから。」
そう母は悲しそうに言った。
カラム「頑張ってにいちゃんっ!」
弟にはそう励さられ、皆に手を振って家を出た。
カルム「それじゃ。」
そう言って家を出て最初の村へ向かった。
因みに地図などは無く完全に行き当たりばったりだ。
旅の途中の食事は鑑定のスキルがあったので食べられる物を鑑定で選別して食い繋いでいた。
そして数日もしないうちに最初の村に着いた。
カルム「えーっと名前は。スルート村?」
とりあえず村の情報を調べる為食堂か酒場を目指した。
そして酒場を見つけた。
カルム「スルート酒場。そのまんまだな。」
そう言って渋々と酒場に入って行った。
酒場に入ると皆が一斉にこっちを見てきたけど気にせず席へ着いた。
店主「何にする?」
っと注文を聞いてきたので。
カルム「それじゃーこのランチをひとつ。」
そう言いうと店主はキッチンへ向かった。
数分して頼んだランチが来た。
店主「へいお待ち。」
そう言われランチを置いて立ち去った。
俺はランチを食べながら話が出来そうな人を探していた。俺が食べながらキョロキョロとしていると一人の男性が声を掛けて来た。
?「君この村は初めて?」
っと言われ。
カルム「はい。初めてです。」
そう言うと。
?「っあ失礼した。私はダミー冒険者だ。」
カルム「俺はカルムえーっと今旅をしています。」
そう言うと。
ダミー「お前さんその歳で旅かー苦労するな。」
そう言われ苦笑いで返した。
カルム「自分は治療師なんで、あっちこっち行って色々と学ぼうと思います。」
そう言うと驚いた表情で。
ダミー「へーおめいさん治療師なのか珍しい!」
俺は首を傾げ。
カルム「何で?治療師って結構いるんじゃ無いの?」
そう言うと。
ダミー「いやそんなに数はない。俺も数人しか見た事がない。」
俺は更に聞いた。
カルム「この村には一人も居ないんですか?」
っと聞くと。
ダミー「この村にか?あーいないな。だから今この村の病院は大変な状態だ。」
俺は慌てて。
カルム「そうなんですか?では自分が行きます!」
そう言うと。
ダミー「まー慌てるな食事が終わってねーぞ。」
そう言われ慌てて食べた。
そして病院まで案内してもらった。
ダミー「ここが村唯一の病院だ。」
そう言われ、小さな病院それでも20人位は収容できそうな病院に着いたが嫌な汗をかいた。
カルム「これはヤバいな。」
そう重々しく言うと。
ダミー「お前さん分かるのかい?」
そう言われ頷くと。
ダミー「頼むここにいる患者を救ってくれ!」
っと言われたが、想像以上のヤバさに。
カルム「俺でどうにか出来るか・」
っと悩んでると。
ダミー「大丈夫だ。あんたはここの病がわかり、以前親父さんを治したんだろ。」
そう言われ驚いた顔で。
カルム「何故それを?」
っと恐る恐る聞いた。あのことは俺と家族以外誰も知らないはずだからだ。
ダミー「黙って悪かった。俺はあんたの父親の友人でな息子が大丈夫か頼まれていたんだ。」
カルム「そうだったんですね。」
父は父なりに俺を心配してくれた様だ。
ダミー「頼む今ここにいる患者を救えるのはお前さんしかしない。お願いだ。皆を救ってくれ。」
そう言って深く頭を下げた。その姿を見て俺も決心がついた。
カルム「分かりました。最善を尽くします。ですが自分からもお願いがあります。」
そう言うと穏やかな顔で。
ダミー「分かった。なんでも聞く。」
優しい口調でそう言ってくれた。
カルム「これから治療を行います。恐らく全員の完治は見込めますが、その分自分の身が削られると思います。ですのでその後の看病をお願いします。」
そう言うと。
ダミー「お前さんの身を削って大丈夫なのか?」
心配そうにそう言われると。
カルム「大丈夫です。食事を摂れれば1・2日で元に戻ると思うので。」
そう言うとダミーさんは驚いた顔をしたが。
ダミー「分かった。治療後は任せておけ!」
そう言われ俺はさっそく治療するために病院内へ向かった。
カルム「すみません。治療をしに来ました。」
そう言うと手前にいた医師の人が。
?「なんだね急にここは今忙しいんだ。」
そう言われると。
ダミー「すまんが、今は時間が惜しい。そこを通してくれ。」
っとダミーさんと強引に医院内へ入った。
?「ちょっと。困るよこっちもてんやわんやなんだから。」
そういう意思に向かってダミーさんは。
ダミー「まー黙って見とれ。」
そう言い。
カルム「では始めます。」
そう言うと俺は床に両手をつき魔力で医院内を包み全体治癒を行った。治療が終わると意識が無くなった。
次に目を覚ますと。
ダミー「おー目が覚めたか?お前さんのおかげでたくさんの人が救った。ありがとう。」
そう言われなんだか照れてしまったが、視線の位置がおかしい事に気が付いた。
カルム「あれ?俺の体はどうなったんですか?」
ダミーさんは暗い顔で。
ダミー「お前さんの体は今頭しかない。」
いったい何を言われているのかがわからずあたりを見回ると。俺はテーブルの上に乗っていた。そして治療の前後を話してくれた。
ダミー「お前さんが使った全体治療で多く人の病が治った。っと同時に治療が終わるとお前さんは頭だけなってしまった。そこで医師にはこの事を秘密にしてもらいうちへはこんだってことだ。」
気を失っている間にそんなことがあったのかー。っと思い。
カルム「わざわざありがとうございました。」
そう言うと。
ダミー「いや礼を言うのはこっちだ。本当にありがとう。」
っとあらためて感謝され。
ダミー「お前さん後どれくらいで元に戻れそうなんだ?」
そう言われ。あれからどれくらい時が過ぎたのか知らなかった。
カルム「すみません。治療が終わって今どれ位時間が経ちましたか?」
そう言うと。
ダミー「んーもうすぐで2時間って言うところか。」
そう言われ。
カルム「まだそんなには経ってないんですね。すみません。まだかかると思います。お腹も空きましたし。」
そう言うとダミーさんは笑って。
ダミー「そうか!腹減ったか?!もうすぐ夕食だ今夜は豪華にするぞ!」
そう言って嬉しそうに酒場へ向かおうとするが。
カルム「っえ?酒場へ向かうんですか?大丈夫ですかね?この状態で。」
俺が渋い顔で言うと。
ダミー「なーに気にすることはねぇ。今日は貸し切りにしてあるからよ。」
そう言われ。
カルム「ありがとうございます!遠慮なくご馳走になりますね!」
っと言うと、ダミーさんは嬉しそうに。
ダミー「ああ遠慮なく思いっきり食えっ!」
そう言い。二人で酒場へ向かい。その日酒場にあった食材を殆どたらげた。
翌日、目を覚めるとダミーの部屋にいて体が元に戻っていた。
ダミー「おうっ!目ぇ覚めたか?」
カルム「あ無事に体も元に戻ったよ。」
そう言い俺はダミーに問いかけた。
カルム「なー俺の体はどうしてこうなのか何か知らない?」
っとダミーに聞くと。
ダミー「さーわしにもわからん。ただ王都に行けば何かしら情報があるかもしれんが。」
そう言われ。
カルム「そうかー。じゃー王都を目指すよ。」
そう言うと。
ダミー「そう言うと思った。これはほんの気持ちだ。」
ダミーは懐から硬貨を出した。
カルム「そんな。受け取れないよ。昨日だって結構ご馳走になったし。」
そう言うとダミーは笑いながら。
ダミー「はっ気にすることはねぇ。おめぇさんが寝てる時に治った患者がどうしてもお礼をしたいと言って置いていったもんだ。」
俺は少し複雑な趣で。
カルム「良いのかな?本当に。」
そう言うとダミーは俺を安心させるように。
ダミー「それだけ皆おめぇさんに感謝してるってことだから遠慮なく受け取りな。」
その優しい物言いに安心し。
カルム「分かった。有難く頂くよ。」
そう言うとダミーは凄い嬉しそうだった。
そして王都へ向け村を出ようとすると、大勢の村人がやってきて。
村人A「あんたのお陰で病が治った!本当にありがとう。」
村人B「死を覚悟してたが、君に救われた本当にありがとう。」
村人C「どんなにお礼の言葉を言っても足りないくらい感謝してます。」
そう村人から感謝され。
カルム「皆さん。お元気で!また来ますね。」
そう言い手を振ってスルート村を後にした。