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強さのために走り出す

「よーし、アリア逃げる用意はいい?」

「うん、いつでも!」

 街の広場に来たアリアとミオ。たくさんの木々があるこの広場は、魔術の練習場として学校の生徒や一般の人達が自由に使い、あちらこちらから、魔術の対戦をする音や声が聞こえている

「それじゃあ、行くよ!」

 ミオの声に、アリアがくるりと振り向き走り出す。近くにあった木に体を隠し、ミオが呪文を唱える様子を伺っている。買ったばかりの杖をクルクルと回し、ブツブツと呪文を唱え、アリアが隠れた木に向かって杖を向けると、小さな炎の塊が大量に現れアリアの隠れている木に向かって飛んで行く。向かってくる炎を避けながら、近くにある木に移動すると、さっきまでいた木は燃えて、周辺はすぐ火の熱で熱くなった

「ちょっと逃げないで!」

「嫌だよ!当たったら痛いし、熱いもん!」

「ちょっと当たって傷がついても、アリアの薬草ならすぐ治せるでしょう?」

「今、傷を治す薬は持ってきてないよ!だからあんまり当てないで!」

 大声で話をしながらミオは術を使い、アリアは逃げ回る。周辺にあった木が半分ほど燃えてきた頃、ミオがまたブツブツと呟き杖を振ると、燃えた木を消すついでにと現れた水の塊が、アリアを追いかける。二人の声や木々を壊す物音が隣の広場で練習をしてる人達の方にも聞こえて、心配そうな顔で様子を見ている





「ちょっと、アリア休憩……」

 練習から数分後、ミオがふぅ。と深呼吸をしながらペタンと座り込む。アリアもミオの隣に来て、ペタンと座ると、腕や足を見て傷が出来ていないか確認すると、ミオの体もジロジロと見渡して、傷が出来ていないか確認していると、ふとミオの隣に置かれた杖を見つけた

「この杖、どうだったの?」

「いつも使っているのと変わんないよ。上手くなるかもって思ったけど違ったー」

「ちょっと杖を変えただけじゃあ、そう簡単には魔力は上がらないよ」

 杖を手に持ち、しょんぼりとした様子で杖を見つめるミオにアリアがフフッと笑って返事をした

「杖かぁ……。私にも魔力とかあれば」

 と、ミオが持つその杖にちょっと触れてみた。その時、突然グラッと眩暈が起きて、目の前が揺れはじめた。ミオに気づかれないように、グッと体に力を込めると杖から力が伝わったのか、ミオがアリアの顔を覗き込んだ

「アリア?どうしたの?」

「えっ?ううん、なんでもない……」

 心配そうな顔をしているミオにエヘヘと笑って誤魔化しつつ返事をして杖から手を離すと、ミオが立ち上がり、うーんと背伸びをした

「私、そろそろ帰るね。練習の相手をしてくれて、ありがとう」

「あれ?今日は泊まらないの?」

 ミオの言葉に少し寂しそうに聞き返す側でミオがトントンと杖の先を地面につくと、そよ風が来てミオのふわりと体が浮いた。アリアも立ち上がりミオを見ると、少し振り向いたミオがアリアに微笑み手を振った

「うん、たまには帰ってお掃除をしないといけないからね。夕御飯のおかずは後で持っていくよ」

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