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アリアノート  作者: シャオえる


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近づいた光と水に惑わされ

「アリア、長期戦は無理だよ、魔力が私と桁違いすぎる!」

「逃げ道探すから、それまで頑張って!」

 走るアリアの後ろでミオがアクアからの魔術を打ち返し、出られそうな所を探すが全然見当たらず、ミオの体力と魔力があっという間に無くなっていく

「もう、この本に助けられても耐えられないよ」

 隣で走る道標のように光を放つ本を見つめながらアリアに話しかけていると、疲れから少し魔術の威力が落ちて、アクアの水の魔術が全身に浴び、ドスンと尻餅をついた

「ミオ、早くこっちに!」

 アリアがミオを呼んでいると、アクアの魔術がミオの目の前まで来ていた。反撃が出来ず、ミオがぎゅっと強く目を閉じた。すると、アリアを照らしていた本がミオの方に向きを変え、また一段と強い光を放って、光がアクアの魔術を跳ね返した

「ミオ、大丈夫?」

 アリアが声をかけると本から放つ眩い光が小さくなった

「えっ……。ミオを食べちゃったの?」

 本の側にいたはずのミオの姿がなく、魔術な使っていた杖だけが残っていた。呆然とするアリアをよそに、本は杖の周りをグルグルと回り動いている

「なにその魔術、私知らない」

「魔術なんかじゃないよ、ミオを出して!」

 アクアに返事をしながら本をつかみ上下に揺らして、ミオを出そうとするが、バサバサとページの音をたてるだけでミオは出てこず、本に文句を言うアリアを見て、アクアがクスクスと笑ってすぐ側まで来ていた

「邪魔な人は居なくなったし、アリアお姉ちゃん、対戦再開だね」







「大分落ち着いてきたか」

「ですが、その代わりお二人が、どこに行ったのか不明になりましたね」

 ミオが消える少し前、村の人達の避難が一通り終わり、ユーノが少し休憩をしていた。壊れた建物の状況を確認しつつ会話をしていると、アリアの新居に先に行っていた家政婦達が近づいた来た

「あの……。ミオさんを見ませんでしたか?アリア様のお友達なのですが、見当たらなくて……」

「どこかに避難をしたのでは?」

「そうだといいのですが……」

 ユーノの返事を聞いて、不安な顔をしていると、今度はお城で警備をしていた一人が慌てた様子でユーノに近づいてきた

「ユーノ様、城の稽古場から強い魔力を感じます。今すぐ確認に来てください」

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