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風が呼んだ再会

 クリアが部屋から出た後、アクアが頭を押さえながらトボトボと窓際へと歩いていた。少し窓を開け、はぁ。とため息をつきながら窓際に手を添えた

「頭痛いなぁ……」

 力なくそう呟くと、ふと部屋の側にいたフクロウがいた場所を見ると、木の枝に止まり部屋を見つめていたフクロウは居なく、その木をボーッと見ていると、外の異変に気づいて窓から少し顔を出して辺りを見渡していると、話を終えたクリアが部屋に入ってきた

「あらアクア、何をしているの?」

 窓から身を乗りだしているアクアに驚きつつ声をかけると、クリアが側に来ていることに気づいたアクアがゆっくりと体を戻し、空を指差した

「魔術を見ているの、しらない魔術」

「しらない魔術?」

 首をかしげながらアクアが指差す方を見ると、いつもと変わらぬ青空が見え、クリアも窓から少し外を見ようとアクアに少し近づいた時、アクアの呟く声が聞こえた

「これ、アリアお姉ちゃんの魔術だ……」

 その言葉に驚いたクリアが振り向くと、アクアが持つ魔術の杖の先が部屋の床にコツンと当たり、部屋の中に強い風が吹き荒れた

「ちょっとアクア!止めなさい」

 バサバサと本や服が部屋の中を駆け巡り、大きな物音やクリアの止める声が部屋の外まで聞こえ、近くにいた家政婦達が部屋の扉を開けたその時、風が一気に止まり、部屋に舞っていた服や本が床に落ちた。風が止み、クリアがホッとしつつアクアがいた隣を見るといつの間にか姿が居なくなっていた







「これ、炎に使える薬草だ。こんな所にあるなんて……」

 その頃、ミオの前から消えていたアリアは突然目の前が見知らぬ森の中に居ても不安になることもなく、ご機嫌で薬草に使えそうなものを探して歩いていた。片手一杯に薬草を持ち、適当に歩いていると、ガサっと草むらが揺れる音が聞こえて驚き振り向くと、アリアの少し離れた場所にこちらを見つめるアクアが立っていた

「……誰?」

 何度かミオと会っているはずのアクアが思い出せず、突然会ったアクアに戸惑うアリア。その様子にアクアも少し驚き戸惑う

「誰って……。何度か会ったけど覚えてないの?」

 アクアが問いかけてもアリアは顔を横に振り、少し後退りして距離を取った

「あっ、そうか。私と会った時は記憶を消したんだ」

 と、アリアの家で会った時の事を思い出して、一人納得すると、ガサガサと草むらの音をたててながらアリアの目の前まで歩きだした

「はじめまして。私は妹のアクア。よろしくね」

 ニコリと微笑み挨拶をするアクア。その笑顔につられるようにアリアも頷き挨拶をすると、アクアがすぐにアリアから距離を取った

「さてと、頭痛も治って、感動の再会を果たしたし、アリアお姉ちゃんが魔術使えるようになったなら、ちょうどいいや」

 そう言うと、アクアの右手に杖が現れぎゅっと強く掴むと、杖の先を地面にコツンと叩いた。すると、二人の周りにあった落ち葉が、ヒラヒラと舞い上がりアリアに向かって飛んでいく。突然の出来事に、ぎゅっと目を強く閉じたアリア。体に落ち葉が当たる中、恐る恐る少し目を開けると、顔のすぐ側にニコリと微笑むアクアが立っていた

「アリアお姉ちゃん、どっちが魔道師として強いか小手調べしよう」

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