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アリアノート  作者: シャオえる


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いつか見た世界

「この本には、未来が書いてある」

 クリアとの会話の後、一人稽古場に術で隠していた本棚の前に来たユーノの前に一冊の本が浮かんでいる

「我々一族がこの城で守り続けてきた本、いつ書かれたかも不明な予言の魔術」

 ユーノが呟いていると、目の前の本が、独りでにパラパラとページがめくられていく。パラリとゆっくりと本の真ん中で止まったページから、幼き頃のアリアとアクアの姿が現れた。お互いを見つめ笑う二人を見てユーノも微笑んでいると、ページがまためくられた。今度は今と同じ背丈と顔をしたアリアとアクアが手を繋ぎお城の庭を走り回っている。走っている途中、石に躓き転けたアクアが膝を擦りむき、小さく怪我をした。慌ててアリアが怪我をした膝に手をかざすと、すぐに怪我はなくなり、痛みも消えたのか、泣きそうだったアクアもすぐに笑顔になり、二人でまた手を繋ぎパタパタと庭を走り回りだし、遠くなっていく二人の姿を映し終えると、またページがめくられ、また新たに映し出されたアリアとアクアは今よりも背が伸び、アリアの髪が腰を越えるほど長く、少し離れてアリアの前に立つアクアに向かってユラユラと揺れている。見つめ合う二人の周りは、焼け落ちた木々や壊れ崩れた建物の後が散らばっている。見つめ合う二人が持つ背よりも長い杖が風に揺られ地面にコツンと同時に鳴った瞬間、二人の足元が揺れはじめ瓦礫や木々も揺れはじめた。二人が揺れを避けるようにトンっと地面を軽く蹴り飛ぶ。空中で止まった二人が同時にフフッと笑うと、杖を振りかざし互いの方へと向かっていった時、本がバタンと勢いよく閉じられ、ユーノが本棚の方に手をかざした。本は吸い込まれるように本棚の中に消えていくと、暗かったユーノの周りは、またいつもの稽古場に戻っていた。一人きり誰もいない稽古場を見渡して、グッと大きく息を吸い込み

深いため息をついた

「未来はまだ変わっていないか。だが、二人の未来は変えられる。そのために二人を哀しい思いをさせてまでいるのだから……」

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