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不安な気持ちを誰かに

「もう、夜か……」

 ミオが窓を見てふぅ。と一つため息をついた。紅茶の入ったコップをテーブルにそっと置いて、少し扉を開けている寝室の方を見て、椅子から立ち上がった

「アリア、まだ寝るの?レポート書かないといけないんじゃないの?」

 寝室の電気をつけながらミオがアリアに声をかけるが、ベッドで寝ているアリアからの返事はなく、ベッドに近づいて顔を軽く叩いた

「アリアってば、そろそろ起きて」

 体を大きく揺らして起こしてみても、目が覚めないアリアの体が大きく揺れただけで、困ったミオが腕を組んでスースーと寝息を立てるアリアを見た

「どうしよう。誰か呼んだ方が良いかな」

 そう呟きながら窓の方を見ると、ちょうど村の見回りをしていたお城の警備の人達を見つけ、窓をバンッと勢いよく開いた

「すみません、ちょっと来てください!」

 ミオの大声と窓の開く音に気づいた警備の人達が慌てた様子で走ってきた。途中、声の主がミオだという事と、場所がアリアの家だと気づいた警備一人が一緒にいた人達に声をかけ、お城の方へと空を飛び戻っていた



「何かありましたか?」

 不安そうな顔で玄関の扉を開けたミオにニコリと微笑み問いかけながら家の中を見渡す。すぐにアリアの姿が見えず、警備に少しだけ緊張感が走る中、ミオが家の中に招き入れるため玄関の扉を大きく開けた

「アリアの様子がちょっと変なんです。見てくれますか?」

「では、失礼します。アリア様……いえ、アリアさんはどこに?」

「寝室で寝ています」

 開けっ放しにしていた寝室の方に顔を向け、警備の人達と共に寝室に向かうと、まだアリアはぐっすりと寝ていた


「アリア、起きて!お客様だよ」

 ミオがまたユラユラと体を揺らし、さっきよりも大きな声でアリアを起こしてみるがやっぱり起きず、困ったようにはぁ。とため息をついた

「急に呼んでも起きなくなって。どこか体が悪いのかなって思って」

 ミオの起こし方を見た後、警備の人達もアリアの様子を見る。スースーと寝息を聞いた後、部屋の中を見渡して、みんな首をかしげた

「ご飯とかも食べていないんですか?」

「いえ、お昼は食べたんですけど、その後すぐ倒れるように眠ってからからずっと起きなくて……」

 ミオに話を聞きながら、窓を開けたり


「確かに寝ているだけみたいな様子ですね」

「こんな風に眠るきっかけとか、何か思い当たる節とかありますか?」

「きっかけですか?ここ最近、校外学習があったり、調合で忙しそうにしていたから……」

 と、ふと話の途中ゴミ出しの事を思い出し、ポケットの中に入れっぱなしにしていた紙を取り出した

「そういえば、昨日これを書いていたみたいです」

「これは……」

「ゴミを燃やそうとした時に見つけて。たぶんアリアか書いたと思います。たぶん私の魔方陣を書いてたのかなって」

 グシャグシャになった紙を広げて見ると、所々消された魔方陣や様々種類の薬草の名前が書かれていた

「これはお預かりしても良いですか?」

「えっ、はい……」

 ミオの返事を聞いてすぐ、玄関に一番近くにいた警備の二人に紙が渡り、残る人達にうんと一つ頷いた

「すぐにお二人にお伝えします。話を聞いたらすぐにお城の方にご連絡を」

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