困ったように笑いながら
「こんにちは!薬草ありますか?」
薬草と書かれたお店の扉を機嫌よく開け、レジの所にいた店員に話しかけるアリア。その声にウトウトと眠りそうだった男性の店員が少し驚いた顔をした後、顔を横に振った
「薬草かい?すまないね、今は一般の方にはあまり売れないんだ。また今度来てくれるかい?」
そう店員が言うとご機嫌だったアリアの顔がしょんぼりと眉を下げて、はぁ。とため息をついた
「えー、この町もないんだ……」
「ああ、だから近くの村のお偉いさんが今日来て話をするらしいよ」
「近くの村ののお偉いさんって……」
店員の話を聞いてミオと顔を見合わせながらアリアが呟くと、お店の窓からクラスメイトがパタパタと慌てた様子で走っているのが見えて、ミオとアリアも慌ててお店を出て追いかけると、さっきクラスで集まっていた場所にみんな戻り、騒がしくしていた
「みんな、どうしたの?」
ミオが近くにいたクラスメイトに声をかけるが、この村一番の人通りの多い大きな道路の方を見たままクラスメイトが返事をした
「ユーノ様とアクア様が来てるの!」
「今日ここで会えるなんて!」
テンション高くそう言うと、ミオがアリアの手をつかみ、グイグイとクラスメイトの体を押して一番前の方に行くと、道路の真ん中に沢山の家政婦や警備に囲まれ歩くユーノとアクアの姿が見えた
「本当だ。あの子も一緒だ」
と、アリアがアクアを見て呟く。ミオもアクアを見つけ、ちらちらとアリアと顔を何度も見合わせた
「それにしてもアリアに本当に似てるよね」
「私は魔術が使えないもん。似てるだけだよ」
「まあ、それはそっか」
アリアの返事を聞いて納得しつつアクア達を見ると、いつの間にか大分離れて、もう姿が見えなくなっていた
「アリアなぜここに?」
同じ頃、ユーノが囲まれていた隙間から、ちらりと見えたアリアの姿に驚きを隠しつつ近くにいた警備の人に話しかけながら、アクアに見えないように更に人々がアクアの側に近寄ように命じた。急に歩く感覚が狭くなってちょっと嫌そうな顔でユーノの少し後を歩く
「ユーノ様、どうやら学校の校外学習らしいです。またまたここに来たそうで、夕方頃までは居るそうです……」
警備らかアリアの報告をヒソヒソと耳元で報告を受けると、困ったように苦笑いをすると後ろで歩きづらそうなアクアの方に振り向いた
「そうか、それはあまりよくないかな。なるべく早く話を終えて帰ろうか」




