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何かが分かるかもしれない

「じゃあお母様、行ってきますね」

 ユーノの提案から次の日の朝、お城の玄関でご機嫌なアクアがクリアに手を振っている。不安な気持ちを悟られないようにクリアも微笑みながら手を振る

「行ってらっしゃい。ちゃんとユーノや皆さんの言葉を聞くのですよ、それと……」

「お出かけ中は魔術は禁止です。何度も聞きいたから分かってます」

 起きてからずっと言われてちょっと怒りながらクリアの言葉を遮ったアクア。そのムスッとした顔を見て家政婦達も不安そうにしていると、その様子を見ていたユーノがフフッと微笑みながらアクアに声をかけた

「アクア、そろそろ行くよ」

「はいっ!」

 玄関の広場に今回アクアと一緒に出掛けるために、新しく書き直した魔方陣を見てアクアのテンションが更に上がる。見たことのないその魔方陣を凝視して動かなくなった

「ほら、もう行くよ。魔方陣の中に入って」

 ユーノに呼ばれて慌てて魔方陣の中に入る。ワクワクが止まらないアクアはユーノが移動の為に魔術を唱えている間もずっと笑顔で魔方陣を見ている

「お父様の魔術、楽しみ。街ではどんな術を使うの?」

 と、唱え終えたユーノに問いかけると、移動の術からはぐれないようにアクアの手をつかんだユーノがまたフフッと微笑み返事をした

「楽しみなのはいいけれど、移動以外には魔術はあまり使わないよ」

「どうして?薬草のためにも魔術はいるよ?」

「なんで使わないかは、お出かけすれば分かるかもしれないね」

 アクアの質問にそう答えると、返事があまり理解していないアクアが首をかしげた。二人が話をしている間に魔術が発動し、二人の姿がお城から消えていった


「本当に大丈夫なのかしら……」

 ユーノとアクアの姿が消え、クリアが心配そうに呟く。すぐに消えた魔方陣の跡を見て両手をぎゅっとつかんだ

「もしアクア様が魔術を使えばユーノ様がすぐ止めるそうです。大丈夫と思いますよ」

「そうね、すぐ止められればいいけれど……」

 家政婦からの慰めの声にもうつ向きながら返事をすると、そのままうつ向きながらお城の中へと入っていった





「アリア、今日はどうするの?」

「今日は学校行かなきゃ。他の村を見に行く課外授業があるんだ」

 その頃、アリアの家ではガサゴソと鞄の中に小さな鞄を入れるアリアとミオが話をしていた。忙しそうに鞄の中に無理やり詰め込むアリアの姿をのんびりとお菓子を食べながら見ているミオがふと、思いついたように返事をした

「へー。そうなんだ。授業なら私もついていこうかな」

 そうミオが何気なく言うとアリアの手が止まりくるりと嬉しそうな顔で振り向く。その顔を見たミオが嫌な予感を感じ顔を引きつかせると、アリアが寝室から更に大きな鞄を持ってきて、ミオの前にドスンと置いた

「自由時間があって、その時に薬草たくさん買うから荷物持つのよろしくね!」

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