第一話
ある日の夜、コンコンと、玄関の扉を叩く音がしました。
誰だろうと疑問に思いながら、ドアを開けました。
そこには、僕がいました。
山が少しずつオレンジ色に変わり始めた10月の下旬。僕は知り合いから買い取った原付で職場に向かった。
僕は高校を三年生の9月に辞め、今は母親の知り合いから紹介してもらった福祉施設で働いている。
僕が学校を辞めたのは、出席日数が足りなくなり面倒になったから辞めた。もちろん親や先生からは説得されたが、まともに聞かなかった。そして今に至る。
ここは、高校中退の僕にとっては、とても良い職場だった。
職員の人達は良い人が多いし、給料は高校を中退した僕にとっては、ありがたいくらいもらっていた。
今日も仕事から帰り、母さんが作ってくれているご飯を食べながらゲームをしていた。
「あ?、何でそこで全回復するんだよ、無理ゲーじゃねぇかぁ、、」
某RPGのエリアボスに手こずり、イライラしたからゲーム機を投げ飛ばし、冷蔵庫に入っていた、プリンを食べた。ふと時計を見ると、日付が変わる数分前くらいの時間になっていた。
明日も仕事だし、ぼちぼち寝ないとなぁ。
そう思いプリンカップをゴミ箱に放り込み、自分の部屋に向かった時、コンコンと玄関の扉をたたく音がした。最初僕は固まってしまった。
コンコン、コンコン
僕はすかさずその場にしゃがみこみ、冷や汗がぶわっと吹き出し、どうするべきか考えていた。こんな夜遅くに訪ねてくる友人も知り合いもいない、宅配便なわけがない
コンコン
だ、誰!?とりあえず、けけ、警察に電話を、、、
携帯で110を入力しようとした時、
「あのー、すみませーん。」
と聞いたことのある声がした。誰かまではわからなかったが、確かに聞いたことのある声だった。
「すみませーん。」
聞き覚えのある声に安心した僕は玄関に行き、はーいと言いながら扉を開けた。
「どちら様ですか、、、、、、、」
僕はまた固まってしまった。驚きすぎて相当変な顔面になっていたはずである。
だが、それもそうだ。今目の前にいるのは、鏡の中ではない、もう一人の自分がそこに立っていたからである。そしてその人は言った。
「はじめまして。僕はあなたのドッペルゲンガーです。これからよろしくお願いします。」
読んでくださってありがとうございました。
小説を書くのは初めてですが、なんとか頑張ってみます。
よろしくお願いいたします!