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徒然枕物語 参  作者: 緋和皐月
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私を守る世界

 夢の世界、というのは、私を守ってくれる、小さな逃げ場の1つである。


 その世界は、小さくて小さくて、私1人しか入らないし、今にも壊れそうなほど、脆い。

 だから私は、布団と毛布という外壁で、その世界を包む。


 でも、その外壁だけでは心許ないから、秘密の魔法の言葉を、そっと唇に乗せる。


 それだけで、外壁は最強の守衛となる。




 夢の世界は、時に甘く、時に苦い。


 守ってくれる世界なのに、時々、悪いものが入り込む。


 悪いのは、『不安』や『哀しみ』という名の思い。

 これらは、夢の世界を黒く暗く塗り潰す。

 この『不安』や『哀しみ』を置いて、その世界へと逃げれば、その優しい世界は、私の心が壊れないようになるまで、匿ってくれるのだ。


 なんて、なんて優しい夢の世界。

 辛い時の1番の味方が、嬉しい時の1番の聴き手が、その世界となる。


 いくら、身内や友人が少なくても。

 いくら、私がどんな奴だとしても。

 その世界だけは、いつでも、どんなことがあっても、優しく、優しく包んでくれる。




 静かなる父であり、暖かな母である、その世界に旅立つ時は。



 おやすみ……という魔法をかけて。


 今日も、私は、夢の世界に守ってもらう。


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