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徒然枕物語 参  作者: 緋和皐月
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夏の雨

 水気を含んだ空気が

 しっとりと私を包み込む


 言葉にできないくらい優しく

 傷つく私を包み込む


 これ以上 私が壊れないように



 大きく空に広げた傘は

 そっと黙って私を守る


 口に出すのも躊躇うほどの

 愛を信じて私を守る


 私が私を 消さないように



 天から降り注ぐ雨粒は

 しとしと囁き私を隠す


 叫びたいのに叫べない

 泣いても満ちない私を隠す


 世界が私を見放さぬように



 静かに 静かに

 駄目で駄目で仕方の無い この私を

 この雨は許してくれる



 光り輝く太陽でさえ

 私の孤独に 呆れて去った


 それでも雨は 私と居る

 駄目な私の隣に居る



 優しい優しい夏の雨



 優しすぎる春の雨 秋の雨は生ぬるい

 冬の雨なぞ 凍えてしまう



 太陽の朗らかな温もりと

 憂う雲の涼しさを

 上手に織り込む 夏の雨



 離れないで ずっと居て

 ずっとずっと 隣に居て


 夏の雨は 優しいけれど

 それだけは絶対 聞いてくれない



 気まぐれに降る 夏の雨

 今日は貴方に会えるのかしら

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