趣味、10円
金。
僕たちの生活に必要不可欠なもの。
世界中にあって、様々な種類があるもの。
でも
僕は
金、という存在には興味はない。
僕が興味があるのは....
鈍く輝く銅色の星...!
10円‼︎
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「やっぱり綺麗だなぁ。」
僕は今世界で一番美しいものの前にいる。
観ていると癒され、全てを忘れてしまうもの。
それはーーー
「まーた、10円なんか眺めて気持ち悪い顔してる〜」
・・・人がせっかく脳内説明してたのに
この空気読めない系女子は、藤宮華憐。
いわゆる幼馴染というやつでいつ初めて会ったかすら曖昧なほど長い付き合いだ。
「別にいいだろ、僕の勝手じゃないか〜」
「そんなんだから、彼女も出来ず友達も少ないのよ」
「そりゃ、同じ趣味とかで友達になるもんだからな。
悲しいことに僕と趣味が合う人なんて今まで会ったことない。」
「多分今後も出会わないわよ、10円好きの人なんてあんたぐらいでしょ(笑)」
「おい、語尾に(笑)をつけるなよ。どこもおかしいとこないのに僕がおかしなやつだと思われるだろ。」
「おかしくないと思ってる時点でもう手遅れね...」
こんな感じでいつもみたいに他愛もない話をしていると
キーンコーンカーンコーン....
休み時間終了のチャイムが鳴った
「あら、もう次の授業が始まるわね。
あんたもさっさと戻りなさいよ?」
「はいよー」
その後は授業を受け、学校が終わるとまっすぐに家に帰った。
そんな日常
当たり前の日常がずっとこの先も続くと思っていた。
しかし、そんなはずがなかった。
あの事件が日常をぶち壊した。