◆辺境用語集
※ややネタバレを含むことがあります。
話が進むと増やすことがあります。情報整理にお使いください。
◇民族
◆カルヴァネス人
東西カルヴァネスから西のディルハート王国の地に定住している。公用語カルヴァネス語を操る。マリスなどが該当。
◆マゼルダ人
東方のマジェンダ草原出身の遊牧民族。通常遊牧生活を送っているが、隊商を組んで商業活動を行っているものも多く、マゼルダ人同士にはそうしたネットワークがある。レックハルドが該当。
◆シェレスタ人
東方のマジェンダ草原出身の遊牧民族。商業都市レイベザルクを中心に商業活動を行っており、マゼルダ人とはライバル関係にある。方言が独特なのでわかりやすい(関西弁表記)。
◆ディルハート人
西のディルハート王国を中心に定住する。公用語はカルヴァネス語。色素の薄い者もおり、金髪碧眼の王がいる。マルヴァー西方草原出身であるシェイザスやダルシュがディルハート人寄りであるが、厳密にはちょっと違う少数民族である。
◆辺境の者
辺境に住まう者たち。彼らは自らのことを太母の子と呼んでいる。
辺境の大精霊が炎を嫌う為、それから生まれた彼等も火を嫌う。また、冶金したものも苦手であり、金属も得意ではない。共通して緑がかった金髪と碧の目を持つ。男女共に紋様と言われる赤い塗料を使った魔術的意味を持つ化粧を顔に施すのが通常であるが、どちらかというと集団生活を送る男の方が盛んな習俗。成人したものは、それぞれ印と呼ばれる身分証明を持ち、それを名前にするほか名刺代わりに用いるが、狼人は基本的に「もの」であるのに対し、妖精は自らの能力や居住地を印にするのが一般的。
辺境外縁部のものは人間の言葉の影響を受けるらしく通常カルヴァネス語を話すが、彼等独自の理解の仕方をしているせいかちょっと言葉のニュアンスがおかしいことが多い。一方、幼少期においては辺境古代語を使うのが通常であり、成長してからも辺境の者同士の会話においては辺境古代語を使うことも多い。
男の姿のものを狼人、女の姿のものを妖精と呼んでいるが、これは彼等の身体的な特徴がややかけ離れているからではある。
◆辺境の狼人
辺境の森に棲む男達のこと。辺境古代語においては狼人と自らを呼んでいる。
見かけは金髪碧眼の長身の美青年であり、人間より長い寿命と並外れた身体能力を備え、森の中で群を形成して集団生活をしている。基本的には穏やかであるが縄張り意識が非常に高いため、相手の縄張りに侵入するときにはさまざまな掟を守らなければならず、これを破れば抗争になることもある。
ほぼ人間と同じ速度で肉体が成長するが、精神的成熟には時間がかかる為外見より幼い言動をとるものが多い一方、成熟後は非常に知的なものも多い。基本的に好奇心旺盛。
ファルケンやツァイザーが該当。
◆辺境の妖精
辺境の森に棲む女達のこと。辺境古代語においては妖精と自らを呼んでいる。
狼人の女性版であるがやや身体的特徴が異なり、成長過程も違う。金髪碧眼の美しい者が多く、人間の中の伝説にもよくあらわれる。毛の生えたウサギのように長い垂れ耳が特徴。翅を背中に持っているが、これは魔力を固めて作ったものであり、消すことも可能。その魔力により飛翔することができる。狼人と違い、身体的能力はさほど高くはないものの、魔力を扱うことに長けており飛翔能力以外にも様々な「魔法」を使うことができる。狼人と違い、群を形成せずに一人一人別々に生活するのが通常。また幼少期の狼人や妖精は、100歳前後の妖精が面倒を見て育てることが多い。
また狼人と違い、肉体の成長と精神の成熟がほぼ一致した速度であるため、青年の姿の狼人と同じ年齢の妖精が少女の姿をしていることも珍しくはない。狼人に比べ人間との区別がつきやすい為、時々人間界に出ていく狼人と違って放浪する妖精は少ない。
ロゥレンやミメル、ロゥザリエが該当。
◇辺境古代語用語
◆狼人・妖精の名前
通常、狼人なら男を意味する「ロン」、妖精なら女を意味する「エレス」を挟む。EX)ファルケン=ロン=ファンダーン。ロゥレン=エレス=シェンクアー。通常なら、シェンタールを名前に付けるが、辺境を捨てた者たちはシェンタールも捨ててしまうためにロンの次に何らかの通り名を自分でつけることになる。
◆印
成人した狼人や妖精が自分を証明するためのもの。狼人は通常持ち物となり、それを掲げて身分を証明したうえで辺境、もしくはほかの狼人の縄張りに入る。これを守らないものは縄張りを荒らすものとして、強制排除の対象になり抗争の原因となることも。様々な種類があるが、系統としては額冠である輪冠、鈴、葉、花、石など。ファルケンは特殊な印を持ち、提灯が該当し魔幻灯と呼ばれている。
妖精においては、得意とする魔法や自らの特殊能力や居住地を示すことが一般的だが、狼人のように花や葉をアクセサリーにして示すものもいる。
◆紋様
狼人や妖精が頬などにする化粧のこと。聖なる木グランカランから作ったチャーチファストという粉を使って頬に紋様を描く。それぞれの紋様には魔術的意図が含まれており、いわばおまじない。日替わりでやる事が多い為、いわゆるリムーバーのような化粧落としを別に作ってある。チャーチファストの調合の加減では、ヘナのように長期間持つ紋様を作ることも可能なため、それらを使ってこまめにやらない奴もいる。妖精もやるが、意外に狼人の方が盛んな習慣であるらしい。両頬に描くか片頬に描くかなど、そのあたりは割と自由。
◆守護輪
主に狼人が作る腕輪。魔除けの効果があり、辺境の獣たちも避ける。守護輪の効果については、製作者の魔力や素質によって変化する。
◆群
群れまたは集団と訳される狼人のグループのこと。およそ10人から20人単位で構成され、それぞれ縄張りを持つ。構成員同士の絆は深く、結束が強い。その集団をまとめるものが首領であり、彼の性格による方針が違ってくるため、やたらと好戦的で始終縄張り争いをしている群もいれば、人間に対して好意的な群も存在する。
◆首領
群のリーダーである狼人のこと。集団の中で選ばれた、精神的にも肉体的にも優れた面倒見のいい人物が就任していることが多い。
◆太母
辺境の大精霊のこと。その正体は限りなく大きくなった神聖な樹木グランカランである。カルヴァネス語では「マーター」と呼ばれており、狼人や妖精も「マーター」と呼ぶのが一般的。狼人や妖精はその木から生まれるとされており、彼らのことをまとめて太母の子と呼ぶ。
◆司祭
太母に仕える十二人の狼人と妖精のこと。辺境における支配者階層。「一番目」が最上位、「十二番目」が最下位であり、基本的には能力により階位が振り分けられている。また、特に狼人は魔法が使えないものが多いが、司祭の狼人は基本的に全員魔術を使いこなすことができる。なお、「一番目」のことを特別に筆頭司祭と呼ぶ。
◆近衛
辺境の狼人や妖精の階級であり、太母周辺の警備に当たる者たち。辺境外周部の兵隊とは流動的であり、力が強いものが、より辺境内縁部に集められる。
◆兵隊
辺境の狼人や妖精の階級の一つであり、辺境外周部の警備に当たる者たち。力はさほど強くないが、人間と交流しやすいこともあり、思わぬ知識を持つこともある。なお、辺境における階級は能力により振り分けられる為、成長後、兵隊階級のものが近衛、司祭に繰り上がるなど下剋上することもよくある。