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闇夜に2人。

・・・今回ちょっと,エロ路線に乗ってみましたよ(ニヤリ)

「まて,岡田!」


 まだ店のそばをふらふらと歩いていた岡田に,とりあえず声をかけると,岡田は素直に振り向いた。

 「んー?なに,柴木が追いかけてくるとは,なかなか予想外ですなー。」

と,岡田がへらへらと笑う。


「あー・・・なんか追いかけろって言われた・・・。」


 正直に真相を述べると,岡田はつまらなそうにため息をついた。


「そんなことだいたい予想できるわよ。ったく,ちょっとは夢見させてよねー。」


・・・・・?夢ってなんだ?


 首をかしげた柴木に向かって,岡田が言った。

「ねえ,せっかく追いかけてきてもらったわけだし,家まで送ってよ。」


 言われなくとも,そのつもりだった。柴木であっても,それくらいはわきまえているというものだ。


「ああ,もちろんいいよ。」

 柴木がそう答えると,岡田はスルりと柴木の横に回り込み,腕をくんできた。

「家まで送るって言ったなら,これくらいは許しなさいよね。」

「・・・・好きにしろ。」


 岡田の物好きなリクエストによって,遠回りして歩いて帰ることとなった。

 岡田は,「酔いを覚ましたいから。」と理由付けしたが,当然そんな現実味のある理由でないことは,柴木でなければ誰でもわかることだろう。


「ねえ,柴木。柴木はやっぱり,小春さんのこと好きなの?」

 岡田は,答えなど分かりきった質問をする。

 ・・・・諦めるための,手がかりをさがすように。


「・・・・さあ,どうなんだろうな。最近は・・・なんか自分でもよくわかんねえかな・・・・。」


 ・・・・人の気もしらないで,と岡田は思う。しかし,柴木にしてみれば,それは紛れもない本心であり,ごまかすつもりなど,みじんもないのだ。


・・・・そっちがその気なら,もうどうにでもなれ,と,岡田は柴木に攻撃態勢に入る。


「今日小春さん,どうして1人で居酒屋にいたのかな?」


 これには柴木も「そういえば」,と気が付く。


「メールできいてみるか。」

 そういって,柴木は,岡田のいない方の右手で胸ポケットをあさって,スマートフォンをだした。


 岡田としてみれば,「えっ,マジで聞くのか,この男!絶対に地雷だろ!」という感じなのだが,そこはさすが柴木だ。

 なんの物怖じもせず,さらっとメールを打ち,迷わず送信した。


「ちょ・・・ちょっと,どんなメール送ったのよ。」

 岡田が聞くと,柴木は送ったばかりのメールを岡田に見せた。


「今岡田を家まで送ってる。そういえば,どうして今日居酒屋に一人でいたの?」


 ・・・・そのまんま行ったか・・・・・。


 しばらくしてから,柴木のスマホから,ヴヴヴッとバイブ音が鳴った。


「あ,ホラ,小春から。」

 そういって,迷わず岡田に見せる。

 

 岡田は,オイオイ,いいのかよ。とは思いつつ覗き込む。


「本当にデリカシーないよね。職場の男性に誘われたんだけど,相手が急に都合悪くなっちゃっただけ。」


・・・・要するに,デートと捉えていいのだろう。


「なんだ,あいつ彼氏いたんだ。知らなかったわ。」


・・・・どうしてこの男は,小春さんの事となると,こんなにも察しがいいのだろうか。岡田としては,もはや呆れるしかない。


 ・・・・・でも・・・・


「ねえ,あたし,あんたの事好きよ。むしろ,大好きよ。」


 切なそうな色をした柴木の瞳が微かに揺れた。


「あたしね,あんたにだったら,他のだれかの身代わりとして抱かれるのも,最終手段としては,アリかな,って思ってるの。」


「・・・・それって・・・」


「ねえ,あたしのこと,抱いてくんない?あたし,入社してから3年間,ずっとあんたの事だけみてたの。だからね,あんたのせいであたし,3年間もだれともセックスしてないの。そう,あんたのせいなのよ。」


「・・・・俺は誰かの身代わりで,誰かを抱くような男にはなりたくないな・・・。」


 ・・・・知ってるわよ,きっとそう言うんじゃないかって思ってたわよ。


「・・・・ちがう。じゃあ,あんたのタメじゃなくて,あたしのためだと思ってよ。」


「・・・・・・・。」


「あんたには,きっと気になっている人がいるんだろうな,って,ずっと感じてた。だからあんたの身近にいる女は,どれだけ美人だとしても,良い人だとしても,可愛い人だとしても,あんたには女として映らないのよ。そうでしょう?」


「・・・・・・・。」


「それで今日,小春さんを一目みて,すぐにこの人だ,って思った。この人のせいで,って。」


「小春は・・・・」


「それでも好きよ。あたしの恋のライバルが,あんなに可愛くて,あたしと真反対の人だってわかっても,それでも好きよ。」


 柴木の目が,ジッと岡田を見つめる。


「あんただって,最近発散してないんでしょ?そりゃあ何人かの人とはヤッたことあるんでしょうけど,社会人になってから,虚しくなるだけだからヤッてないでしょ?」


 岡田を見つめる柴木の目から,ポロッと涙がおちた。


「こんなところで立ち話もなんだから,うち,上がってってよ。」


 岡田は柴木と腕を組んだまま,岡田の住んでいるマンションのエレベーターに乗り込んだ。

                        ・・・つづく・・・

 さてさて,次話はもっと岡田をエロく!柴木を切なくアホっぽく!・・・ってな感じで行きますよぉー!(ニヤリ)

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