フリーズして2人。
前回・・・突然のキス!・・・・からの続きでございます・・・
「ぐっっっ!じょわっっっ!!!」
謎の掛け声的なモノをあげながら,柴木は慌てて身をのけ反らせ,唇を離した。
「何すんだよっ,アホか!馬鹿じゃねえの?!ありえねえだろ,は?!」
慌てふためく柴木を見て,岡田は満足そうに「ふふんっ」と笑い,舌をペロッと出した。
「ごめんごめん。いや,自分の部下に突然キスされた日に,自分のお友達にも突然キスされたら,さすがにその能面じみて動かない表情にも,変化があるんじゃないかと思って?」
相沢と小春は,いまだにフリーズしたまま動かない。柴木も何も言い返すことができず,口をパクパクさせている。
「ここまで効果があるとはびっくりね。いつキスしてやろうか,ずっと機会をうかがってたのよ。」
「お・・・おまえ・・・」
「あら,でも柴木にとって,あたしって女にカウントされないんだっけ?そっかーなら柴木のそのプチパニックを引き起こしたのは,あたしの実力じゃなくて,柴木にとっては,同性からキスされた感じのショックなのか・・・」
チェーッといってから,岡田はフリーズしたままの相沢と小春に気が付いた。そして,「はー」と息をついてから,靴をはきはじめた。
「驚くのも当然よね,こめんごめん。あたしやっぱり酔ってるね。今日はこれで帰るわ。」
そういうと,テーブルの上に5000円札をおいて,店を出て行った。
岡田が店を出て,店の引き戸が「ガラガラ,ピシャン」と音をたてて閉まるのと同時に,相沢と小春がハッしたように柴木をみて,声をそろえて言った。
「おいかけろよ!」
「おいかけなよ!」
「えっ,お・・・おう!」
相沢と小春が何を思ってそう言ったかは,とりあえず考える事を放棄して,柴木は言われるままに急いで靴をはき,店をでた。
・・・つづく・・・
今回は短いですが,後々,「あー,この時,こんなにも色々な思いがひしめき合っていたんだなー・・・」と思うであろう,結構ポイントなお話です。
次回から,動きます・・・(ニヤリ)