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始まり

高校一年の春、僕は恋に落ちた。

いわゆる、一目惚れってやつだった。

中学の頃、いわゆるオタクで、ゲームにアニメ、好きな人は二次元ヒロインだった僕が、だ。


彼女は、二次元そのものだった。


綺麗な顔立ちに甘い声、身長は高すぎず低過ぎす、洗練された立ち振る舞いに、屈託のない性格を表したような完璧な笑顔。


どんどんと惹かれていき、そして、ある日僕は告白したのだ。

あの日のことを忘れる日はないだろう。


放課後に伝説のありそうな木の下に呼び出して、勇気を振り絞り言ったのだ。

「好きです」と。

すると彼女はこう言ったのだ。


「あなたは、乙女ゲーの域に達してないから嫌」


僕の頭は文字通り真っ白になった。

あのいつも笑顔でみんなに優しい彼女が、だ!乙女ゲー?それは僕の知ってる乙女ゲーなのか?!


でも、残念なことに、それは僕の知ってるあの、ギャルゲーの女性向けバージョンである乙女ゲーだったのだ。


乙女ゲーに他ならなかったのだ!


「いーい?あなたねえ、もっとシチュエーションにこだわりなさい!こんな曇り空の日に告白とか、なに?何がしたいの?しかもあなた、わたしと話したことあった?そんな好感度上げさえしてない状態で、レアキャラ並みの容姿ならともかくそんな冴えない姿でいきなり告白とか、ばっかじゃないの?!」


僕の頭はぐるぐるになった。

色々ぐるぐるして結局きづいたらこう叫んでいたのだ。


「知るかあーーーーーーー!んなの、マスターできる男がどこにいるんだよ?!」


「いいわ。そこまで言うならわたしが教えてあげましょう。乙女ゲーが誇る、真のヒーローとはなんなのか!!」


「あー、そうか!やれるもんならやってみろ!」



これが全ての始まりだったのだ。

この日から、僕は彼女と毎日真のヒーローになる戦いが始まったのだった。


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