プロローグ
ここでは初投稿です。
昔はホムペで書いてました。
拙いところがあると思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
「どうしてなの?」
夕日に染まった校舎の中に彼女の声がひびく。
本来、グラウンドの運動部の掛け声や、楽器の音で騒がしいはずの教室は、彼女の存在のせいだろうか、物凄く静かに感じる。
聞こえてくるのはまさに、彼女の声だけだ。
「ねえ、ちゃんと告白して」
少し小首を傾げて彼女は言う。
その様子から目が離せない。
僕は、ごくりとつばをのみ、
そして------
「き、君のことが、す---」
「はい、カット」
何度目かの彼女への告白は、またもや叩き潰された。
彼女は心底恐ろしい目をして、大声で叫ぶ。
「だめだめ!そんなんじゃだめ!ばっかじゃないの?!オーラ雰囲気シチュエーション!全部だめ!こんなの今時クソゲーだよ!」
…。えっと。
「こんなんだから、君には彼女がいないの!わかる?!」
余計なお世話だ…。
長い髪をふわりと流して彼女は軽蔑の目で僕を見てくる…。なまじ顔が一級だけあって、物凄い破壊力である。主に僕のメンタル面で。
「いーい?!こんなんじゃいつまでたっても究極の二次元にはなれないのよ?!わたしを見てあなたは二次元になりたくなったんでしょ?!だったらなってみせなさい!わたしだって暇じゃないんだからっ」
意味不明なように聞こえるかもしれないが、これが彼女と僕の関係である。
彼女が究極の乙女ゲームのようなヒーローを作り上げるのがさきか、僕の告白を受け入れてもらうのがさきか、いや、僕が死に至る、というのもあるかもしれないが、そんなくだらないけど、本人達は本気でしかない争いの話である。
最も、今のところ僕が死にいたるのが可能が高そうなんだけど…