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裏切りの事

人類の科学力は進んだ。その成果により地球温暖化が解決するといわれる。進んだ科学力は【才】といわれるものを発見した。それは1人1つあり、その【才】がなんなのかも研究により判別する事ができるようになった。今世界ではその【才】を使って日々の生活を送っている。


都会の隅の山のふもとというなんとも中途半端なところにある高校、応仁高校。中途半端でありながらその生徒数は3000人を越え、勉学、スポーツの面でも数多くの実績を残してきた。また全寮制でも有名である。


そんな応仁高校は15年前までは女子校であった。理事長の独断で共学になったため、かなり批判があったと言われており、またその影響で男子生徒の募集人数は全体の1割しかない。


しかし、周りが女子ばかりという状況に夢や希望を感じるのが男である。


毎年100人という狭き門を狙って多くの男子が受験するので倍率は15倍をこえる。そのため合格した男子生徒は天才とうたわれ、これからの高校生活を希望に満ちた物だと思うのである。

本当の地獄を知りもせずに...



ちょっとまて。どうして俺は半裸で磔にされているんだ。しかも場所は屋上じゃないか!どうりで風が吹き抜けるわけだ!その姿まさにキリスト!

とだいぶ頭がイカれてきた俺の名前は、薬師葵(やくし・あおい)。応仁高校に入学したばかりの1年生である。


とりあえず落ち着け、落ち着くんだ俺。ステイ、ステイ。クールダウン。どうしてこうなったか考えるんだ。昨日寮に帰って、夕飯食べて、寝て、目をさますと広がる青空!ワーオ何一つわからない!


「裏切り者には死を...」

かなり怪しげな声が聞こえてくる...

「ま、待ってくれ孔明君!」

「どうしたユダ。遺言か?」

坊主頭に縁なしメガネが答える。

「どうして俺は磔になっているんでしょうか?教えていただけませんかお代官様?」

「ほぅ、自分の罪がわからないというのか。いいだろう。この竹田孔明が説明してやる。」


この恩着せがましい痩せたヤツは竹田孔明(たけだ・こうめい)、同じ応仁高校1年生である。その周りにいる3人も同じ1年生。左のデブが山中三日月(やまなか・みかつき)。孔明挟んで、マッチョが雑賀孫市(さいが・まごいち)。1番右が美少年の片倉小十郎(かたくら・こじゅうろう)だ。


今この応仁高校には、この4人と俺を含めた5人しか男子生徒がいない。本来ならこの20倍は男子生徒がいるのだが、全員退学になった。


その事件を第一次花園決戦という。


この事件は受験勉強でいろいろたまっていた男子生徒が、花園という名の女子風呂を集団覗きをするというものだった。


結果は失敗。

その事件には全男子生徒の95%が参加していて、その全員が退学となった。


では残りの5%は?


それがこの5人である。では一体何をしていたのか?その答えは簡単である。

5人とも腐ったヨーグルトを食べて入院。

あれは本当に辛かった。どうして生きているんだろうと思った。思い出しただけでも涙が出てくる。でもそのおかげで5人は退学にならずにすんだのだ。


しかし、その後の高校生活は最悪のものだった。女子の大半が男子である自分達の半径2メートル以内に入ってこない。教師からは質問の集中攻撃をあびる。昼食はいつも男だけで...


そんな中1人の男、孔明が立ち上がった。

「白い雲を結成する!」


《白い雲》は初代応仁高校男子生徒が立ち上げた男の夢、目標、欲望を叶えるためのグループだ。今年で15代目。しかし、応仁高校の男子生徒は、卒業する前にほとんどが退学となるのでここ1年ほどなかったという。(ちなみに2、3年生も何か問題をおこして退学している。)


そして先週、ついに5人全員が新生《白い雲》に加盟した。だから近々行動を開始すると女子生徒に噂されていた。


話を戻そう。孔明が言う。

「お前は達磨憲法、第7章52条及び、第7章13条に違反したからそうなっとるのだ。」


達磨憲法は《白い雲》の基本的なルールがのっているものである。第7章52条は、女子生徒との11文字以上の会話を禁ず。第7章13条は、女子との交際を禁ず。である。


・・・全く身に覚えがない。

「孔明。それはいつの話で、誰とだ?」

「それすらもわからんのか。まったく、昨日の15時38分だ。」


昨日のその時間は確か数学の時間だった。その中であった女子との会話は...

火花帰蝶(ひばな・きちょう)さんか!」


火花さんは、男子と話せる数少ない人の1人である。ただ怖い。あのときは消しゴムを拾ってもらった。睨まれた気がする。お礼を言ったら舌打ちされた気がする。でも、

「? あのとき俺は9文字しかしゃべってないぞ?」

俺が言った言葉は、「あ、どうもありがとう。」

であるはずである。ほら9文字じゃないか。

「いいや違うな。よ~く数えるんだ。」

「??」

あ・、・ど・う・も・あ・り・が・と・う・。

「テメェ!句読点入れやがったな!」

「テメェとはひどいな。ルールブックにはちゃんと、句読点も入れると書いてあるぞ。」

そんなもん初めて見たわ!ていうか、そろそろ他の3人がずっと呪文を唱えてるの怖いからやめさせて!


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