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プロローグ
瞼を開くと目の前には青空が広がっていた。
小鳥たちの鳴き声と女子生徒の笑い声が響きわたっている。
雲ひとつない空、緑の色が濃い山々、薄汚れた校舎、ごみ出しに出た人、会社に出勤していく人、グラウンドでは野球部が朝練をしている。
この町全体が少しずつ、少しずつ、目をさましはじめているのだ。
太陽の光、全身を吹き抜けていく風。
今僕は上半身が裸である。両手両足は縛り付けられている。下からは呪文を唱える声が聞こえてくる。
あぁ何て素晴らしい朝なんだろう。どうしてこんなに清々しいのだろう。
俺はこれから死ぬのだろうか?