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四国攻防戦 その7

鳴門海峡に封印された王蛇。その王蛇の力を弱めているのは、九人の守護神の一人。青龍。王蛇を打ち破るには黄泉の王蛇を倒さなくてはいけなかった。





「仕方ないな。それしか方法は無いみたいだし、気になる事がある。アンデットを打ち破るには強い精神力が必要だ。確かにそう言ったんだな?」「エエ。どうしますか?有賀艦長」「明日には出航出来るさ。補給も済んでいる」「さっき白虎に聞いてみました。確かに戻れない旅になるかも知れない。けどそれは出会った頃から変わらないと」「隼人君。私もそれは考えていた。元々、私は戦艦大和の艦長だったのだ。我々は仲間と共に海に沈んだのだ。偶然、隕石の、他次元の技術で改造されただけで亡き者と言ってしまえばそうなのだ。大和は黄泉の世界の戦艦。そうもとれるのさ」「では、有賀艦長…………」「自分も行きます。艦長。連れていって下さい」振り返るとパトリックが立っていた」「私も。寂しいじゃない?残されるのも」美香が話を聞きに来た。海底基地の館長、ソウマが任せてくれと胸を張る。「私は四国の海底を見守る義務がある。まあ当然残りますわな」「ソウマさん。俺も残りますわ。新政府軍のお力も必要でしょうから。ヒビキさん、有賀艦長。ご健闘を」「星崎。すまないな。身勝手で」「もちろん戦闘機のパイロットも残しますよね。出番かようやく。退屈してたんだ隼人。行ってこいよ。ナア、ザベル」「佐用。せっかく仲間に入れて貰ったんだ。守りましょう。皆さん。大和が帰るまで」「アキト君。良いのかい?」「一度、乗った船だ。無事に帰還しろよ。隼人君」「………ありがとうございます。皆さん」「私からも。世話になったな。ソウマさん。いずれ帰ります。それまで監視をしておいてください。鳴門海峡を。王蛇を」




次の日、レィファが海底基地に来た。

「揃いましたか。皆さん。では、案内しましょう」「アア。大和!黄泉に向け出航!これよりレィファに誘導を任せる」





レィファの指揮により大和は大海を渡った。






「ここです。皆さん。ここが黄泉に繋がる道」「鳴門海峡ではないか?大丈夫なのか?船は持つのか?」「誰が海峡を渡ると?違います。ワープ走行を使います。ワープ走行でしか入れませんので」「まさかアンデットもそこに?」「いいえ。まだ気づかれてませんから」





大和はワープ走行に換えた。「突入する瞬間は一瞬。海峡のバリアとワープ走行の衝撃がぶつかる瞬間、ゲートが開きます。なおその時は一時的に無防備になりますから」「タイミングが難しいな。やってみよう。皆、念のためシートベルトを。衝撃に備えてくれ」有賀艦長は力一杯、ワープシステムを作動させた。






「クッ…………この感覚。体が避けそうだ!戦艦の中でも伝わる。大和の意志が。俺達を試す気か?」ヒビキが力を入れる。





しばらくすると衝撃が収まった。






「これが黄泉か?」操縦室から外の光景を見る大和クルー。赤い大地に万里の埠頭。





「上陸許可は取っておきました。ご案内します」「何処へ?」「ヒビキさん。言ったじゃないですか?お前じゃ話にならんと。大師様が来てますから。弘法大師様が。特別ですよ。直にお会いできる機会など………」「宜しい。行くぞ皆。船を降りるんだ。有賀艦長、ヒビキ、隼人、美香、パトリックの五人は弘法大師に会い、その真意を試される事となる。





「大丈夫ですかね?皆さん」星崎が心配そうにソウマ館長に聞く。「今、鳴門海峡から消えました。おそらく黄泉に行ったんでしょう。監視の目を緩めないで下さいよ」ソウマは紅茶をカップに注いで、少し舐めた。「苦い。配合を間違えたな。茶葉をブレンドしなおそう」「呑気な人だ。あんたは。大丈夫かね?」「ミルクを取ってくれ。飲めた物じゃない。あとそこのハチミツも」「あいよ。もうそろそろかね?帰るのは」「ウン。このブレンドなら苦くても大丈夫だ」カップをモニターに当て乾杯する。「君らの様だな」ソウマはニンマリ笑った。星崎は心配だった。「アキト、ザベル。君らは格納庫で待機を。いつ来るかわからんからな。まだ帰らぬか?」「まだ五分です。反応が消えて。ミルクティーいかがです?いけますよ」「要らねーよ。そんなもん。あんたと違って敏感なんだ。俺は」星崎は落ち着きなく椅子に腰かけた。






四国攻防戦 完結




次回、黄泉の青龍

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