↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビだらけの終末世界でおれたちわりと無双界隈  作者: 卯月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/105

第21話 銀の瞳の錬金術師

 気を取りなおし、おれたちは再出発する。

 方角はふたたび南へ。

 一週間も閉じ込められていた『あの街』がまた見えてくる。

 イヤな場所に寄るつもりはないのでそのままスルーするつもりだったのだが、以前とは違いゾンビの群れが門《ゲート》の前にあつまっていた。


「カズヤさん、あれ!」

「んんー、襲《おそ》われてるねえ」


 運転中だったおれはチラッと見ただけで、そのまま正面に視線をもどした。


「まあ壁と門に守られているんだし、あんな連中でも防衛戦くらいできるでしょ。無視無視」


 我ながら冷たい。

 だって弾と体力使ったってあいつら感謝するどころか恨《うら》みごと言ってくるからな。

 しかし紫織の伝えたいことは別にあったようだ。


「そうじゃなくって、外に女性がいます! たった一人で!」

「は!?」


 おれは耳を疑《うたが》った。

 なんでそんな事になってんだ!?

 今からおれたちが行ったってもう助からないだろそれ!


 それでもおれはハンドルを切って進行方向を街へむける。

 正面にゾンビの群れ。

 そして鮮《あざ》やかに目をひく、白いサマードレス姿の女が一人。


「なんだあれ、どういうつもりなんだ!」


 あまりにも終末世界には似つかわしくない姿だった。

 鍔広《つばひろ》の大きな白い帽子。白いサマードレス。白いミュール。

 革製のトランクバッグを地面に置いていて、それだけは茶色かった。

 おいおいおいおい観光旅行じゃねえんだぜ、なに考えてんだお嬢様よ!


 おれはアクセルを踏み込んで車を急加速させる。

 だが遠すぎた、どうやったって間に合わねえ。

 白いドレスが女の血で真っ赤に染まる。そんなイメージが脳裏に浮かんだ。

 しかしそうはならなかった。

 白いドレスの女はまるで踊《おど》るようにクルクルと回り、なにかをゾンビどもに投げつけ始める。

 あまりにも小さくて、ここからはまったく見えない「何か」だ。

 

 次の瞬間。彼女を襲《おそ》うゾンビ軍団は等身大の宝石に変化してしまった。


「は……?」


 バッシャアアアアン!!!


 ゾンビ軍団だったモノはすべて粉々に砕けちり地面にころがる。

 まるで教会のステンドグラスでもぶちまけたかのような、極彩色《ごくさいしき》の残骸《ざんがい》。

 女はそれらをしげしげと眺《なが》めて物色《ぶっしょく》しはじめた。

 すさまじく異常な光景を目撃して、おれたちはパニック寸前《すんぜん》。


「な、なんです今の」

「わからねえ、け、けど人間技じゃねえぞ、絶対……」


 おれたちは恐《おそ》る恐《おそ》る車から降りた。

 相手が得体のしれない化け物に思えて、自然と慎重《しんちょう》になる。

 一方の女は呑気《のんき》な表情をしていた。


「あ~あ、ろくな石《モノ》がないわぁ。い~らないっと♪」


 いらない。と女がひとことそう言うと地面にちらばる極彩色の残骸《ざんがい》はサラサラとした粉末《ふんまつ》に変化して、風に飛ばされていく。


「ねえキミたち」


 キラキラ輝く風をまといながら、白いドレスの女はおれたちに話しかけてきた。


「そこの山にいた下級天使をやっつけたのって、キミたちなのかな?」

「そ、そうですけど」


 女は見たこともない銀色の瞳《ひとみ》をしていた。

 ストレートの黒髪なので遠目には気づかなかったが、顔の造形から全身の骨格までおれたちとは違う。外国人だ。

 こっちの恐怖心を見透《みす》かされて、彼女は笑い出す。


「やだ怖がらないで。こんな眼をしているけれどちゃんと人間なのよ?」


 女は胸に手を当て自己紹介をはじめた。


「あたしはジルヴァ。錬金術師《れんきんじゅつし》よ」


 ……なんかとんでもないキャラと出会ってしまった。

読んでくださってありがとうございます。

投稿のはげみになりますのでぜひ☆やブックマーク、いいねをよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。