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ゾンビだらけの終末世界でおれたちわりと無双界隈  作者: 卯月


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第21話 銀の瞳の錬金術師

 気を取りなおし、おれたちは再出発する。

 方角はふたたび南へ。

 一週間も閉じ込められていた『あの街』がまた見えてくる。

 イヤな場所に寄るつもりはないのでそのままスルーするつもりだったのだが、以前とは違いゾンビの群れがゲートの前にあつまっていた。


「カズヤさん、あれ!」

「んんー、おそわれてるねえ」


 運転中だったおれはチラッと見ただけで、そのまま正面に視線をもどした。


「まあ壁と門に守られているんだし、あんな連中でも防衛戦くらいできるでしょ。無視無視」


 我ながら冷たい。

 だって弾と体力使ったってあいつら感謝するどころかうらみごと言ってくるからな。

 しかし紫織の伝えたいことは別にあったようだ。


「そうじゃなくって、外に女性がいます! たった一人で!」

「は!?」


 おれは耳をうたがった。

 なんでそんな事になってんだ!?

 今からおれたちが行ったってもう助からないだろそれ!


 それでもおれはハンドルを切って進行方向を街へむける。

 正面にゾンビの群れ。

 そしてあざやかに目をひく、白いサマードレス姿の女が一人。


「なんだあれ、どういうつもりなんだ!」


 あまりにも終末世界には似つかわしくない姿だった。

 鍔広つばひろの大きな白い帽子。白いサマードレス。白いミュール。

 革製のトランクバッグを地面に置いていて、それだけは茶色かった。

 おいおいおいおい観光旅行じゃねえんだぜ、なに考えてんだお嬢様よ!


 おれはアクセルを踏み込んで車を急加速させる。

 だが遠すぎた、どうやったって間に合わねえ。

 白いドレスが女の血で真っ赤に染まる。そんなイメージが脳裏に浮かんだ。

 しかしそうはならなかった。

 白いドレスの女はまるでおどるようにクルクルと回り、なにかをゾンビどもに投げつけ始める。

 あまりにも小さくて、ここからはまったく見えない「何か」だ。

 

 次の瞬間。彼女をおそうゾンビ軍団は等身大の宝石に変化してしまった。


「は……?」


 バッシャアアアアン!!!


 ゾンビ軍団だったモノはすべて粉々に砕けちり地面にころがる。

 まるで教会のステンドグラスでもぶちまけたかのような、極彩色ごくさいしき残骸ざんがい

 女はそれらをしげしげとながめて物色ぶっしょくしはじめた。

 すさまじく異常な光景を目撃して、おれたちはパニック寸前すんぜん


「な、なんです今の」

「わからねえ、け、けど人間技じゃねえぞ、絶対……」


 おれたちはおそおそる車から降りた。

 相手が得体のしれない化け物に思えて、自然と慎重しんちょうになる。

 一方の女は呑気のんきな表情をしていた。


「あ~あ、ろくなモノがないわぁ。い~らないっと♪」


 いらない。と女がひとことそう言うと地面にちらばる極彩色の残骸ざんがいはサラサラとした粉末ふんまつに変化して、風に飛ばされていく。


「ねえキミたち」


 キラキラ輝く風をまといながら、白いドレスの女はおれたちに話しかけてきた。


「そこの山にいた下級天使をやっつけたのって、キミたちなのかな?」

「そ、そうですけど」


 女は見たこともない銀色のひとみをしていた。

 ストレートの黒髪なので遠目には気づかなかったが、顔の造形から全身の骨格までおれたちとは違う。外国人だ。

 こっちの恐怖心を見透みすかされて、彼女は笑い出す。


「やだ怖がらないで。こんな眼をしているけれどちゃんと人間なのよ?」


 女は胸に手を当て自己紹介をはじめた。


「あたしはジルヴァ。錬金術師れんきんじゅつしよ」


 ……なんかとんでもないキャラと出会ってしまった。

読んでくださってありがとうございます。

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