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アルタの大型ビジョンだけでなく、他の街頭モニター、テレビ、すべての映像が怪盗アールを映している。
完全にモニタージャック状態だ。
律華、シアロンも何事か?
と大型ビジョンを見つめる。
怪盗アールが、
『俺は怪盗アールだ。
俺の宿命のライバル
怪盗ゲロデムこと、
地獄の少女道化師さんよ、そろそろケリをつける時じゃないか?
いい加減、潮時だろう?
そこで俺はこの炎のルビーを、
今夜、十二時に、
NTTタワーに持っていく。
そこで、最後の勝負といこうじゃないか』
怪盗アールが、自分の顔と指先につまんだ炎のルビーを、見せつけるようにカメラに近づけ、
『ばっくれるんじゃないぜ、地獄の少女道化師さんよ。お前さんとの勝負、楽しみにしてるぜ!』
言い終わるや、再びノイズが走り、映像が元に戻った。
シアロンが、
ワタクシ様に挑戦状を叩きつけるとは、いい度胸だな!
不埒なコソ泥風情が!
いいだろう!
貴様を叩き潰してくれるわ!
怪盗アールっ!
と、言わんばかりに、爛々と瞳を輝かせ、アルタの大型ビジョンを睨みつけていた。
地獄の少女道化師がシアロンかどうかは、知らんけど。
何か雰囲気が似てるんだよな。




