73
☆73☆
異世界、
オニガーランドは、
過酷なオニガー大陸に作られた奇跡の王国だったのデス。
大陸の環境は非常に厳しく、
生き残るために人は、
特殊な能力を身につけたのデス。
その能力とは、
人だけではなく、
動植物にまで及び、激しい生存競争の結果、
人は、こちら側の世界でいうところの【鬼】と呼ばれる、
異形の姿となったのデス。
あえて鬼と呼びますが、
鬼は異能の力を結集し、
幻魔剣を作りました。
幻魔剣の力は凄まじく、
荒れ果てたオニガー大陸に棲む、悪魔、怪物、魔獣を一掃し、ついに、
オニガーランドという平和な王国を創り上げたのデス。
しかし、ある日、この幻魔剣を狙って、一人の男、桃太郎と、しもべの三人娘が現われました。
予知能力のある私の母は、
どう立ち向かっても、桃太郎には勝てないと悟り、私を幻魔剣と融合させ、火山の中に投げ込んだのデス。
私は見ました。
幻魔剣の刀身の中から、
母が火山の中に身を投げ、
幻魔剣の秘密を守った事を。
仲間が次々と桃太郎と三人娘に倒され、ついにオニガーランドが滅ぼされた事を。
破壊の限りを尽くし、
それでも幻魔剣を発見する事が出来なかった桃太郎は、
別の異世界へと旅立ちました。
私も奴を追って、
様々な異世界を渡り歩きました。
幻魔剣には、異世界へ転移する能力があったのデス。さらに、
私は異世界で様々な魔剣と融合し力を蓄えました。
異世界の生命体は種々様々で、
時には昆虫人間、
あるいは猫人間。
様々なタイプの人間が存在しました。
幻魔剣の能力、
幻体、という力を使い、
私は仮りそめの肉体を手に入れ、
どんな異世界にも違和感なく、紛れ込む事が出来ました。
桃太郎は転移や転生を繰り返し、その都度チート能力を手に入れ、姿形の変わらぬ三人娘も、常に彼に従っていました。そして、
最後にたどり着いたのが、




