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かすかな光の中、見えた少女の姿は、ゴスロリの衣装に、とにかく長い、顔が隠れるような黒髪だ。
ゴスロリ少女が、
「仮面のお兄ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい。自己紹介もしないで、千代ダーランドに引きずり込んじゃって、
千代は八怪千代って言います。
千代の可愛いお人形さんになってね、お兄ちゃん。
千代と、お骨になるまで遊びましょ☆」
千代がゾッとするような笑みを浮かべる。
暗闇の底に目を凝らすと、
地の果てまで、
無数の骸骨がビッシリと埋め尽くしていた。
「冗談じゃない。お人形遊びや、おままごとは、とっくに卒業してるんだよ」
俺は胸のポケットから、さっき
巡からもらった太陽のカード、
ザ・サンを千代の額に貼り付ける。
途端にカードが光りだし、
千代が悲鳴をあげる。
「いやああああっっ!!
眩しい! 眩しい! 眩しいの嫌い! ごめんなさい! ごめんなさい!」
千代が俺から手を離し、骸骨の底に逃げ込んで行った。
「助かったぜ、巡。霊験あらたかなカードに感謝だ」
俺は平泳ぎの要領で地上へ戻って行く。




