表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/88

69


   ☆69☆


 どこからともなく桃太郎の声が響いてくる。いわく、

「ワシは館で休養するゆえ、我が三人のシモベよ! あとは任せたぞよ!」

 俺は、

「三人のシモベだって? 犬、猿、キジの事か?」

 俺の問いに答えるように甲高い少女の声が響く。

「まったく酷いよね〜。酷いと思わない? 自分勝手なんだからさあ、もう、早くシモベ生活を止めたいよ〜!」

 少女は孫悟空のコスプレをしてい。年は十二、三歳か?

 俺は、

「孫悟空!?」

 少女が、

孫空子そん・くうこだよ!」

 空子が耳から耳かきを取り出し、

「猴仙術っっっ! 如意なる棒よ!」

 耳かきが、みるみる大きく、伸びていく。

 電柱ほどになった途端、

 少女が、

「どりゃ、どりゃ、どりゃ〜っ!」

 とか叫びながらブンブン、ブン回す。

「ブンブン丸か!?」

 竜巻のような突風まで発生し、

 足元がよろけた所へ電柱棒が迫る。

 ガッキッッッ!

 凛華がマジカル☆スターソードで電柱棒を受け止め、

 空子をにらみつける。

「学校で電柱を振り回しちゃ駄目って教わらなかったの!? 校則を破っちゃ駄目なんだよ!!」

 空子が、

「アハ、なかやかやるね、魔法少女のお姉ちゃん。でも、これなら、どうかな!」

 空子が髪を抜き取り、

「妖毛変化! ボクに変われっ!」

 数十本の髪の毛が次々に空子に変わる。

 空子集団がいっせいに凛華に襲いかかる。

 ズドン、ズドン!

 なりふり構っていられなかった。

 俺はワルサーP38軍用拳銃に実弾を詰め撃ちまくる。

 暗褐色をした空子の分身は、さほど強いわけではなく、 

 ワルサーの銃弾に次々と倒れていく。

 凛華も空子を追い詰め始める。

 空子が、

「ズルイぞ! 二対一なんて!」

 泣き言を並べ始める。

 所詮はお子様か。すると、

 ちょっと大人っぽい声が、

「一人で大丈夫だから、手を出すなって言ったのは、あんたでしょ、空子。だから、最初からアタイに任せときゃ良かったんだよ」




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ