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   ☆61☆


 深夜の午前二時ごろ、

「竜破、竜破、早く起きるアル。敵が近づいて来るアル」

 雷夢が俺を揺すぶって起こした。

「分かった。準備する」

 俺は黒い革のスーツを着て、仮面をつけた。

 雷夢はとっくにチャイナドレスに着替えている。

 俺は、

「たぶん地獄の少女道化師だろうけど、何で分かった?」

 雷夢が得意そうに、

「街に結界を張っておいたアル」

 俺は、

「仙術っていうのは便利なもんだな」

 雷夢が不思議そうに、

「だけど、どうしてこの場所が分かったアルか?」

 俺は、

「おそらく、極限まで細くした液状ムチを伸ばして結界をすり抜け、俺たちの動きを探っていたんじゃないか。ともかく、いよいよ本体のお出ましってわけだ」

 雷夢が納得したように、

「な〜る。それじゃ、結界で探知出来ないわけアル」

 俺は窓を開けて、そこから飛び降りた。雷夢も俺のあとに続く。

 俺は、

「赤羽公園に行こう。そこなら暴れても大丈夫だ」

 すると聞き慣れた声が、

「ほほう、それならあたしも一暴れするのだ」

「デスね」

 烈火とサヤだ。 

 サヤが、

「結界を張るのは私も得意なのデス。怪しい動きを察知したので駆けつけました」

 烈火が、

「あたしはサヤからメールをもらって駆け付けたのだ」

 烈火の身体は紅蓮剣によって、すでに強化されていた。

 俺は、

「サヤの術で赤羽公園に人が入らないように出来ないか?」

 サヤが、

「それぐらい簡単なのデス。人払いの結界を張っておきます」

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