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   ☆39☆


 俺は律華との約束を守り、シアロン・レットルーを連れ出し、校内を案内する。

 虹祭高校二階にて、

 俺が、

「食堂と購買だ。ここのコロッケパンはなかなか美味いぞ」

 シアロンが、

「ジャガイモを潰して揚げた愚民どもに相応しいエサよな!」

 俺は背中に隠しもっていた購買の紙袋を見せ、

「というわけで、コロッケパンを買ってきてやったぞ。まあ、食ってみろよ」

 シアロンがチラッとコロッケパンを見て、

「はっ! ワタクシ様がそんなエサに食いつくと思うか!」

 そう言うと思った。

 俺は、

「なら俺が食べちゃうよ〜」

 俺はコロッケパンを半分に折り、その一つを口に運ぶ。

 パクッ。

 俺はモグモグ食べ、

 満面の笑みを浮かべる。

「んっ! まあ〜あいっ! 美味すぎるわっ! コロッケはフンワリ、サクサク。ソースがまたデリシャス。口の中でパーティーをしているよう〜!」

 俺の様子をツバを飲み込みながら見つめるシアロンの目の前で、

「残りもたべちゃお〜っと」

 俺が口に持っていきかけると、

「待てっ! そんなに美味いなら、いやっ、ワタクシ様が毒味をしてやろう、その半分をよこすのだ!」

 俺は素直に渡した。

 シアロンはコロッケパン半分を受け取るや、

 パクッ。

 シアロンの顔に恍惚とした無上の喜びの笑みが広がり、

「う〜ん。デリシャス!」

 感嘆の声をあげる。

 俺は、

「そりゃよかった。もっと食うか?」

 すると、今頃になって恥ずかしくなったのか、赤面しながらシアロンが、

「愚民の施しなどこれ以上、受けぬわ!」

 と、ホッペをプクッとふくらませてソッポを向いた。





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