12章 王都にて 01
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ソウシ オクノ
Cランク
冒険者レベル46
武器系
メイス Lv.40 長剣 Lv.13 短剣 Lv.8 格闘 Lv.27
防具系
バックラー Lv.20 大盾 Lv.22
身体能力系
体力 Lv.43 筋力 Lv.50
走力 Lv.30 瞬発力 Lv.29
反射神経 Lv.28 身体操作 Lv.19
感覚系
視覚 Lv.20 聴覚 Lv.17
嗅覚 Lv.10 触覚 Lv.11
動体視力 Lv.28 気配感知 Lv.16
精神系
冷静 Lv.17 思考加速 Lv.14
興奮 Lv.5
特殊
再生 Lv.12 安定 Lv.20【max】
剛力 Lv.20【max】 金剛力 Lv.8
鋼体 Lv.20【max】 金剛体 Lv.5
翻身 Lv.14 重爆 Lv.20【max】
掌握 Lv.15
衝撃波 Lv.11 不動 Lv.12
鋼幹 Lv.12 鉄壁 Lv.5
誘引 Lv.1(new)
毒耐性 Lv.5 幻覚耐性 Lv.5
麻痺耐性 Lv.3 魅了耐性 Lv.8
アイテムボックス Lv.14
将の器 Lv.1
特異
悪運 Lv.10
特殊装備
異形のメイス(ランク外武器)
指輪(俊敏+1)
指輪(炎耐性+1)
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フレイニル
Cランク
冒険者レベル31
武器系
杖 Lv.20 槍 Lv.3
格闘 Lv.6
防具系
バックラー Lv.7
身体能力系
体力 Lv.19 筋力 Lv.11
走力 Lv.18 瞬発力 Lv.10
反射神経 Lv.10 身体操作 Lv.8
感覚系
視覚 Lv.15 聴覚 Lv.11
嗅覚 Lv.7 触覚 Lv.9
動体視力 Lv.11 気配感知 Lv.11
精神系
依存 Lv.11 精神集中 Lv.21
特殊
聖属性魔法 Lv.20【max】 真聖魔法 Lv.3
神属性魔法 Lv.12
命属性魔法 Lv.10 結界魔法Lv.9
二重魔法 Lv.6 範囲拡大 Lv.3
剛力 Lv.1(new) 鋼体 Lv.4 聖気 Lv.8
命気 Lv.7 消費軽減 Lv.13
充填 Lv.9 遠隔 Lv.5
湧力 Lv.2
毒耐性 Lv.3
特異
聖者の目 Lv.5
特殊装備
亡者の杖(Cランク武器)
指輪(魔法力+1)
金のサークレット(集中力+1)
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ラーニ
Cランク
冒険者レベル32
武器系
長剣 Lv.29 短剣 Lv.9
格闘 Lv.13
防具系
バックラー Lv.10
身体能力系
体力 Lv.24 筋力 Lv.21
走力 Lv.33 瞬発力 Lv.29
反射神経 Lv.29 身体操作 Lv.22
感覚系
視覚 Lv.14 聴覚 Lv.21
嗅覚 Lv.24 触覚 Lv.11
動体視力 Lv.22 気配感知 Lv.19
精神系
勇敢 Lv.11 思考加速 Lv.8
特殊
付与魔法 Lv.11 疾駆 Lv.13
鋼体 Lv.11 剛力 Lv.11
急所撃ち Lv.12 切断 Lv.11
跳躍 Lv.12 空間蹴り Lv.10
軽業 Lv.11 衝撃吸収 Lv.7
安定 Lv.4 鋼幹 Lv.3
鉄壁 Lv.1(new) 伸刃 Lv.3
充填 Lv.2
毒耐性 Lv.4 麻痺耐性 Lv.3
冷気耐性 Lv.3
特異
疫病神 Lv.5
特殊装備
ミスリルソード +2(Aランク武器)
指輪(身体能力+1)
腕輪(剣加速+1)
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スフェーニア
Cランク
冒険者レベル38
武器系
短弓 Lv.30 細剣 Lv.10
短剣 Lv.7 格闘 Lv.9
防具系
バックラー Lv.11
身体能力系
体力 Lv.20 筋力 Lv.18
走力 Lv.20 瞬発力 Lv.19
反射神経 Lv.17 身体操作 Lv.20
感覚系
視覚 Lv.24 聴覚 Lv.15
嗅覚 Lv.8 触覚 Lv.9
動体視力 Lv.24 気配感知 Lv.21
精神系
冷静 Lv.18 思考加速 Lv.12
精神集中 Lv.21
特殊
火属性魔法・上級 Lv.2(new)
風属性魔法・上級 Lv.3
火属性魔法 Lv.20【max】 水属性魔法 Lv.17
風属性魔法 Lv.20【max】 地属性魔法 Lv.16
先制 Lv.3
鋼体 Lv.9 剛力 Lv.8
安定 Lv.8
消費軽減 Lv.15 遠見 Lv.16
急所撃ち Lv.17 狙撃 Lv.17
曲射 Lv.2
遠矢 Lv.11 貫通 Lv.6
毒耐性 Lv.5 麻痺耐性 Lv.5
幻覚耐性 Lv.5 混乱耐性 Lv.4
特異
???
特殊装備
白鷺の弓(Dランク武器 特殊効果 行動停止・弱)
指輪(集中力+1)
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マリアネ
元Cランク
冒険者レベル35
武器系
長剣 Lv.12 短剣 Lv.28
格闘 Lv.12 投擲剣 Lv.21
防具系
バックラー Lv.9
身体能力系
体力 Lv.19 筋力 Lv.17
走力 Lv.27 瞬発力 Lv.30
反射神経 Lv.24 身体操作 Lv.21
感覚系
視覚 Lv.19 聴覚 Lv.18
嗅覚 Lv.12 触覚 Lv.19
動体視力 Lv.22 気配感知 Lv.20
精神系
冷静 Lv.14 思考加速 Lv.13
特殊
状態異常付与Lv.4
疾駆 Lv.13 早駆け Lv.11
鋼体 Lv.7 剛力 Lv.6
切断 Lv.4 貫通 Lv.2(new)
急所撃ち Lv.14 投擲 Lv.13
狙撃 Lv.7 遠見 Lv.7
軽業 Lv.14 衝撃吸収 Lv.6
安定 Lv.3 隠密 Lv.14
鑑定 Lv.14
毒耐性 Lv.5 魅了耐性 Lv.3
麻痺耐性 Lv.6 幻覚耐性 Lv.1(new)
炎耐性 Lv.2
特異
???
特殊装備
指輪(身体能力+1)
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『彷徨する迷宮』踏破の翌日。
俺たちはいつもの朝トレーニングをした後、予定通りFクラスダンジョンに潜った。
もちろんなんの問題もなく2時間ほどで最下層のボスを討伐する。通常ボスだったこともあり各人『耐性』スキルを得たのみであるが、それはそれで重要なのでバカにはできない。
次の日はEクラスダンジョンだが、これもやはり2時間ほどで踏破する。得たのはやはり『耐性』スキルばかりだった。もしかしたらレア度の低いスキルで自分に合ったものは一通り身についてしまったと言うことだろうか。
「ソウシさん、私たちのパーティにちょうどいい採取依頼があったのですがどうでしょうか?」
その日の夕方、夕食の場でマリアネがそんなことを言ってきた。マリアネが「私たちのパーティ」という言葉を使ったことに少し嬉しさを感じる。
「どんな依頼だ?」
「『パラライズモス』の羽の収集です。ただしダンジョンのものではなく、通常のフィールドモンスターのものが対象です」
『パラライズモス』は以前ダンジョンでも遭遇したが、素材は絹のような質感の羽だった。それの『天然もの』がご所望ということか。
「どの辺に出現するのかは分かってるんだよな」
「はい。例の『彷徨の迷宮』があった廃村のさらに奥の森に出るとのことです。かなり広い森ですが……」
「まあ私たちなら楽勝だよねっ」
ラーニが肉を頬張りながら気安く言う。
「ちなみに依頼主はトロント商会ですので、その点もソウシさん向けかと思います」
「なるほど」
さすがマリアネ、そのあたりの気配りも隙がない。
トロント商会は王都でも三指に入る商会らしい。その会頭のトロント氏とは知己を得たばかりだが、冒険者にはそういうやり方でつながりを強くする方法があったのか。やはり俺はまだまだ経験も知識も足りないな。
「モンスターのランク的にはなんの問題もないし、受けようと思うがどうだろうか?」
俺が聞くと、フレイニルたち3人は特になにもなく了承してくれた。
「じゃあマリアネ、明日朝一で頼む」
「分かりました。ちなみにユニコーンラビットほどではありませんが、そこまで出現率は高くないようです」
「ユニコーンラビットより高いなら問題ないよね」
「私もそう思います。でもソウシさまのことですから、また特別なモンスターが出たりすることがあるかもしれませんね」
ラーニとフレイニルがそう応じると、スフェーニアも「ああ、ダンジョン外でもそうなるのですね」と納得顔をする。
もしかしたらマリアネとしても俺たちの特異性の一つを自分の目で確認しておきたいのかもしれないな。一石三鳥の依頼とはやはり敏腕職員はあなどれないものだ。
翌朝ギルドで依頼の手続きを行い、その足で野生(?)の『パラライズモス』が出るという森へと向かった。
途中で通りかかった例の廃村はすっかりただの廃墟となっており、アンデッドの姿は一体もなかった。なおこの村は疫病が発生したことで廃村になったとのことだが、もしかしたらこれから狩りにいく『パラライズモス』の存在も原因だったのかもしれない。
廃村を過ぎてさらに30分ほど走ると鬱蒼とした森が見えてきた。獣道なのか道になっている場所があり、そこからラーニを先頭にして森に入っていく。
野生のモンスター捜索はラーニの鼻と耳が頼りだ。彼女は狼獣人だが、戦闘力も高い上に獲物の探知能力も高い。『疫病神』スキルさえなければ本来あっちこっちのパーティにひっぱりだこだったはずの人間である。
「う~ん、全体的にうっすら毒っぽいニオイがする。これもしかして『パラライズモス』が増えてるんじゃないかなあ」
ラーニが鼻をひくつかせながら少し物騒なことを言う。
「それが本当なら結構マズい気もするな。冒険者はともかく普通の人間が入ったら危険なことになりそうだ」
「この森は『病の森』と呼ばれていたこともあったようです。『パラライズモス』がいることでついた名だということですが、大繁殖しているのなら危険度はあがりますね」
マリアネの言葉に、俺は『悪運』スキル氏の背中を見る。いや繁殖ならラーニの『疫病神』スキル氏のほうか?
「ニオイがだんだん濃くなってるからこのまま進めばいると思うけど、ちょっと方向が分かりづらいかも」
「フレイに一旦周囲を『浄化』してもらって、その後臭いが流れてくる方向を追うのはどうだ?」
「あ、それいいかも。フレイ、『浄化』いける?」
「はい、大丈夫です。『範囲拡大』で『浄化』しますね」
フレイニルが『浄化』を発動すると、なるほど確かにはっきりと空気が綺麗になった感覚がある。気付かぬうちに『パラライズモス』の鱗粉がそれなりの濃度で漂う空間に足を踏み入れていたのだろう。確かに普通の人間ならこれだけで病のような症状が出てもおかしくはない。
少ししてラーニが鼻をくんくんと鳴らしてから頷く。
「うん、分かりやすくなった。こっちよ」
ラーニの足の進みが速くなる。10分ほど進むと『気配感知』に反応があった。広い範囲に20匹はいそうだ。ダンジョンならともかくフィールドでこの数は結構危険ではないだろうか。
「あっ、この先森が開けてる。なんかお花畑みたいになってない?」
ラーニの言う通り、100メートルほど先で森の木が途絶え、その先が花畑のようになっていた。そしてその花の絨毯の上に、巨大な蛾が何匹も羽を休めて着地している。かなり異様な光景だ。
「よし、近づいたらフレイは『範囲拡大』で『浄化』してくれ。あとはスフェーニアとマリアネで落として欲しい。俺がやると羽ごと潰すから仕方ない時だけ手を出す。ラーニもいけるな?」
「はい」
「空中戦は得意だから任せて」
花畑に近づいたところでフレイニルが『浄化』を発動、『パラライズモス』の鱗粉をすべて無毒化した。
5人で花畑に入っていくと、『モス』たちがこちらの存在に気付いて一斉に飛び上がった。それをスフェーニアの矢とマリアネの鏢が次々と撃ち落とす。ラーニも『跳躍』と『空間蹴り』を駆使して本体だけを切り裂いていった。
程なくして20数匹の『パラライズモス』は全滅した。モンスターはどれだけ駆逐してもまたどこからか生まれてくるらしいので、見つけたら全討伐が基本である。
その後は手分けをして『魔石』と、今回の目的である絹のような『羽』を回収して『アイテムボックス』にしまっていった。
「これで依頼完了ですね、ソウシさま」
「そうだな。ラーニとフレイのおかげで早く済んだよ。この手の依頼は探すのが最大の難関だろうし」
フレイニルに答えながら、俺はスフェーニアの方を見た。彼女が何かを気にするように遠くを見ていたからだ。
「スフェーニア、何か気になるのか?」
「はい。あちらの方に妙なものが見えるのです」
「妙なもの?」
スフェーニアが指差す方に目を向けると、そこには山があった。日本の里山程度の小さな山だが、問題はその斜面に極彩色の蛾が羽を広げてとまっていることだった。
山の樹木との対比でみる限り、羽の端から端までで20メートルくらいあるだろうか。羽には目玉のような模様があり、その本体もずんぐりと図太い。葉っぱみたいな触覚が2本頭から突き出ていて、苦手な人間なら見ただけで卒倒しそうな姿である。
「なんだあれは。巨大な『パラライズモス』……なのか?」
「分かりませんが見た感じでは同種のように見えますね。マリアネさんはご存知ありませんか?」
スフェーニアが聞くと、同じくその巨大蛾を見ていたマリアネが頷いた。
「恐らく『クイーンモス』だと思います。『パラライズモス』の女王格で、『パラライズモス』を多数生み出すそうです。町の上を飛び回れば有毒な鱗粉によって町に大きな被害が出るとか」
「ええっ、そんな迷惑なモンスターなの? っていうかやっぱりこれってソウシのスキルでレアモンスターに遭遇したってことよね」
ラーニが言うと、フレイニルが「さすがソウシさまです」と微笑む。俺はなにもしてないんだが……フレイニルが嬉しそうだからよしとしよう。
「とりあえず見つけてしまった以上討伐しないわけにはいかないよな。マリアネ、あれは倒してしまって大丈夫なんだろう?」
「ええもちろんです。発見され次第緊急討伐依頼が出るモンスターですね。Bランクになりますので気をつけましょう」
まあ予想していなかったわけでもないが、俺たち『ソールの導き』らしい展開になってしまった。なんか子どもの頃に見た人間の味方をする巨大蛾の怪獣を思い出してちょっとだけ討伐するのは気が引ける……とはさすがに言えない。毒の鱗粉持ちとなるとやはり討伐はやむをえないのだろうな。




