7章 フレイニルの過去 01
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ソウシ オクノ
Dランク
冒険者レベル15
武器系
メイス Lv.19 長剣 Lv.8
短剣 Lv.4 格闘 Lv.10
防具系
バックラー Lv.15 大盾 Lv.3(new)
身体能力系
体力 Lv.18 筋力 Lv.23
走力 Lv.16 瞬発力 Lv.16
反射神経 Lv.14 身体操作 Lv.6
感覚系
視覚 Lv.12 聴覚 Lv.10
嗅覚 Lv.7 触覚 Lv.7
動体視力 Lv.15 気配感知 Lv.12
精神系
冷静 Lv.10 思考加速 Lv.7
興奮 Lv.2
特殊
再生 Lv.4 安定 Lv.8
剛力Lv.10 鋼体 Lv.6
翻身 Lv.6 重爆 Lv.8
掌握 Lv.3
毒耐性 Lv.2 幻覚耐性 Lv.4
麻痺耐性 Lv.1
特異
悪運 Lv.10
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フレイニル
Eランク
冒険者レベル10
武器系
杖 Lv.7 槍 Lv.3
格闘 Lv.3
防具系
バックラー Lv.3
身体能力系
体力 Lv.8 筋力 Lv.5
走力 Lv.8 瞬発力 Lv.5
反射神経 Lv.5 身体操作 Lv.2
感覚系
視覚 Lv.7 聴覚 Lv.6
嗅覚 Lv.4 触覚 Lv.4
動体視力 Lv.4 気配感知 Lv.6
精神系
勇敢 Lv.5 精神集中 Lv.7
特殊
聖属性魔法 Lv.8 神属性魔法 Lv.5
命属性魔法 Lv.3
消費軽減 Lv.5 充填 Lv.2
毒耐性 Lv.1
特異
聖者の目 Lv.3
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ラーニ
Eランク
冒険者レベル11
武器系
長剣 Lv.13 短剣 Lv.4
格闘 Lv.6
防具系
バックラー Lv.5
身体能力系
体力 Lv.9 筋力 Lv.10
走力 Lv.14 瞬発力 Lv.13
反射神経 Lv.13 身体操作 Lv.6
感覚系
視覚 Lv.6 聴覚 Lv.10
嗅覚 Lv.14 触覚 Lv.6
動体視力 Lv.8 気配感知 Lv.12
精神系
勇敢 Lv.5 思考加速 Lv.2
特殊
付与魔法 Lv.4 疾駆 Lv.4
鋼体 Lv.4 剛力 Lv.3
急所撃ち Lv.3 跳躍 Lv.2(new)
麻痺耐性 Lv.1 冷気耐性 Lv.1
特異
疫病神 Lv.3
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※スキルはあくまで推定
アンデッドの城攻略を終え、俺たちはエウロンの町に帰ってきた。
翌々日に俺のDランク昇格が告げられ、俺たちはDクラスのダンジョンに入る資格を得た。
これでさらに強くなれるだろうし、トルソンに戻ってカイムたちに会うのもいいな……などとギルドのカウンター前で考えていると、
「ソウシ殿、バリウス子爵様が貴殿を連れてくるようにとの仰せだ。そのままの格好で構わないので、パーティ全員馬車に乗ってほしい」
いきなり現れた『紅のアナトリア』にそう言われ、俺たち3人はエウロンの町の中央にある立派な貴族の館に連行(?)された。
応接の間のような部屋でソファに横3人で座っていると、やがて扉が開き、高級そうな貴族服に身を包んだ30代の男が入ってくる。
アナトリアともう一人、以前トルソンの町で見かけた壮年の男、子爵家の家令を連れているところからして、この貴族服の男性がバリウス子爵その人だろう。
ガッチリした体格の、貴族と言うより戦士と言いたくなる男である。茶色い髪を後ろに撫でつけ、眼光はかなり鋭い。いかにも元冒険者といった雰囲気だ。
俺とフレイニルは立ち上がって頭を下げると、ラーニも慌てて立ち上がって勢いよく頭を下げた。
「無理な呼び出しに応じてもらって済まない。私も元は冒険者でね。礼儀などは気にしないので楽にしてくれ」
見た目よりは穏やかな声色でそう言うと、バリウス子爵は俺たちの対面のソファに腰をかけた。アナトリアと家令殿はその両後ろに立つ。いかにも貴族との対面、という感じの絵面である。
「私はマクルハン・バリウス。ヴァーミリアン王国子爵に叙せられている者だ。今回はアンデッドの拠点攻略に多大な貢献をしてもらったようだな。まずは礼を言わせてもらおう」
「は、光栄に存じます」
一応社会人として培ったはずの礼儀作法を思い出して対応する。しかし身分制社会の貴族なんて相手にしたことないからな。限度があるのは許してもらおう。
「ふむ……」
俺の作法が気になったのか、バリウス子爵は眉を少し動かした。どういう反応なのだろうか。
「アナトリアの言っていた通り貴殿は礼儀に通じているようだなソウシ殿。もとはどこかの大店の人間か?」
「はい、元は商人をしておりました。ただ貴族様の対応は任されておりませんでしたので、不備がございますことはあらかじめお詫び申し上げます」
「ふ、そこまで畏まらなくていい。さて、ここに貴殿らを呼んだのは、先の功績の大きさもさることながら、彼女が使った魔法が大変気になったからなのだ。どのようなスキルによる魔法なのか教えてほしい」
ああやっぱりそうか。単に討伐任務で活躍したってだけなら子爵様が直々にお声がけなんてあるはずもない。しかし貴族様が動く案件とは、そこまで『神属性魔法』は大きな話なのか。
俺は隣で不安そうな顔をしているフレイニルに頷いてやってから答えた。
「あの魔法は『神属性魔法』、『神の後光』という魔法だそうです」
アナトリアと家令殿が互いに目配せし、子爵はほう、と息を吐く。
「なるほど……。パーティの重要な情報を教えてもらい感謝する」
そう言うと、子爵はフレイニルの方に向き直った。
「フレイニルさま、今のお話は真でございますか?」
「……はい、本当のことです」
フレイニルは一瞬俺の顔を見てから答えた。いやしかし子爵が「フレイニルさま」っていうのは……。
「このことはまだ誰も知らないということでよろしいのでしょうか?」
「はい、まだここにいるソウシさまとラーニの2人以外、知る者はおりません」
「それはようございました。しかしフレイニルさまがまさか我が領にいらっしゃるとは思いませんでした。当然お父上もご存知でいらっしゃらないのですね?」
「存じていらっしゃらないと思います。あの家にとって、私の存在はそこまで意味のあるものではありませんでしたので」
「そのようなことは……。しかしこのことはすぐにでもお父上に……」
「決して伝えないでください。私はもう冒険者のフレイニルです」
「しかしそれは……」
やりとりの感じからするとフレイニルは元は位の高い貴族の子女で、何らかの事情があって放り出されたみたいな感じだろうか。フレイニルの態度を見る限り本気で親の元には戻りたくないようだし、よほど酷い扱いを受けたということか。
子爵はしばらく目をつぶってなにかを考えるそぶりをした。俺の推測の通りなら、確かに子爵としては非常に難しい選択を迫られていることになる。いや、貴族としては恐らく「お父上に伝えない」という選択肢はないのだろうが……。
「ローダン、私はどうすべきだ? フレイニルさまに『神属性魔法』が発現したことはかの家にとっても大きな話になるが」
子爵が呼んだのは家令殿の名前だった。家令殿……ローダン氏が「そうですね……」と口を開く。
「子爵様の立場上、伝えないという選択肢はございません。しかしかの家の内情を考えれば、伝えたところでフレイニルさまの元に遣わされるのは迎えではなく刺客である可能性が高いでしょう。伝えることに意味があるとは思えません」
ローダン氏の言葉はとんでもなく刺激的だった。今彼は「刺客」と言ったのだ。暗殺者に狙われる話なのか『神属性魔法』というのは?
「なるほど……よかろう。ソウシ殿、そしてラーニ殿か、ただ今の話はこの場だけのものとしたい。我々も一切口外しないので、貴殿らも厳に口外をしないでもらいたい」
「承知しました」
「分かったわ」
今の話を聞いたらこちらもそう言うしかない。
「先の魔法は『聖属性』の上位魔法とでも言っておこう。『神属性』は秘匿されてきた魔法なのでその効果を知る者はいないはずだ。フレイニルさまが使った魔法を『神属性』だと気づく者はおるまい」
子爵の言葉に、フレイニルはホッとした表情で俺の腕をぎゅっとつかんだ。それを見て対面の3人がピクリと反応する。ん? なにか勘違いされたりしてないよな?
「ふうむ、しかしそうするとフレイニルさまとしては今のパーティで冒険者として活動をされることを望まれるのですね?」
「はい。私はこちらのソウシさまにどこまでもついていくと決めました」
フレイニルがさらに俺の腕を強くつかむ。いや待ってくれ、お三方の顔がちょっと怖い感じになっているんだが……。ラーニはクスクス笑ってるけどそれどころじゃないぞこれ。
「わかりました。冒険者として活動するうえで必要なものがあればお申し付けください。できる限りのことはいたします。それとソウシ殿、少し別の部屋で話をしたいのだがよいか?」
「は、承知しました」
難しい顔をした子爵の後について、俺は応接の間を出た。




