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おっさん異世界で最強になる ~物理特化の覚醒者~  作者: 次佐 駆人


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22章 異界の門への道標  30

 Bクラスダンジョンも残り5階。


 地下16階から20階までは、ミスリルのツノを二本生やした巨馬の『ミスリルバイコーン』、同じくミスリルの牙を持つ大型のトラ『ミスリルファング』、そして象なみの巨体とミスリルの爪を持つ『ミスリルギガントモール』というモンスターが出現した。


 全て獣型なので、問題なく最下層のボス前扉まで到達する。ちなみに全20階層で得たBランク魔石は3000個を軽く超えている。Aランク魔石300個分以上になるので、このダンジョンに2回潜れば『異界の門発生装置』を一回起動するだけの魔石は貯まることになる。もっとも俺たちの場合Aクラスダンジョンに入った方がはるかに効率はいい。


 そんな確認をしつつ、俺はボス部屋への扉を開いて皆と共に中へと足を踏み入れた。


 ボス部屋は広大な空間で、ボスとして現れたのは『グランドドラゴン』という、羽根の生えていない巨大な四足歩行のドラゴンだった。


 長い首と長い尻尾、そして太い足を持ち、全長は30メートルを超えるだろうか。頭部がドラゴンなのと全身が灰色の鱗で覆われていることを除けば、その姿は子どもの頃図鑑で見た恐竜そのままである。


 見た目はガイドに書かれていた通りなので通常ボスだろう。もちろん3体現れるというのはガイドには書いていないが。


「ブレスと噛みつきと尻尾に注意。あと巨体そのものも武器だな。一匹は俺がやるからあとは自由にやってくれ」


 つい指示が適当になるが、完全物理型でそこまで特殊な攻撃を仕掛けてこないモンスターは俺たちにとって強敵ではない。


「了解、こっちは任せて」


「ブレスは私の『絶界魔法』で防ぎますので、ソウシさまもご自由に」


 という頼もしい返事を背に、俺は『不動不倒の城壁』を構えながら前に出る。


 一応3体のグランドドラゴンが吐いてくる巨大氷弾は『吸引』スキルで引き付けて受け止めるが、これなら『絶界魔法』で十分防げそうだ。


 距離を縮めたところで『万物を均すもの』を横に薙ぎ、『圧潰波』で一匹の前足を砕いてやる。悲鳴を上げて上半身が崩れ落ちたところで、目の前に下りてきた頭部を叩き潰して終わりである。


 残り二体は後衛陣の一斉魔法射撃を受けて、それだけでもう虫の息だった。前衛陣がそれぞれ首を落とせばそれでボス戦は終了となる。


 全員が集まってくると、すぐにスキルを得る感覚がある。


「誰か新しいスキルを得たか? 俺は『神剛幹』という上位スキルが来たが」


 と聞いてみたところ、


 フレイニルが、「私は『石化耐性』を得ました、ソウシさま」


 スフェーニアが、「私は『金剛体』を得たようです。後衛が得るのは珍しい上位スキルですね」


 マリアネが、「私は『金剛力』と『大切断』ですね。下位スキルが最高レベルだったので、上位スキルが身についたようです」


 シズナが、「わらわは上位の『風属性魔法・上級』と、『金剛体』を得たようじゃ」


 カルマが、「アタシはようやく『翻身』が来たよ。ついでに『金剛壁』も得たし、これでますます剣の腕に磨きがかかっちまうね」


 サクラヒメが、「それがしは『不撓』スキルを得たようだ。これで薙刀を振るう時にさらに身体が安定するであろうな」


 ドロツィッテが、「私は『狙撃』だね。まだ新しいスキルを得られるのだから嬉しくなるね」


 マリシエールが、「わたくしは『不動』と『金剛幹』を得られたようですわ。『金剛幹』は上位スキルですわね」


 と続けざまに答えた。スキルは全員3つ得られたはずなので、それ以外は既得スキルのレベルアップとなる。


 なおゲシューラとライラノーラはどちらも特殊な存在なのでスキルの獲得はないが、ライラノーラも、


「なるほど、これがダンジョンで力を得るという恩恵なのですね。スキルというものは得られませんが、確かに少し力を得た気がいたします」


 と言っていたので、ゲシューラ同様ダンジョン攻略に意味がないということはないようだ。


「え~!? もしかして新しいスキルなしってわたしだけ?」


 とラーニが少し不貞腐ふてくされてしまったので、「また新しい料理を作ってやるから」と慰めておいた。


 ダンジョンから出ると、日が黄を帯びて、そろそろ夕刻に入ろうかという時間帯だった。


 城に戻るとラーニがすぐに新しい料理を食べたいというので、『ソース』を得たこともあって封印していた『トンカツ』を遂に作ることにした。


 メカリナン王城の料理人に手伝ってもらって完成したティタノボアの肉を作ったトンカツは、俺が前世で食べたどのトンカツよりも美味くて驚いてしまった。


 もちろん一緒に食べたメンバーも、リューシャ王もミュエラも口を揃えて美味いと言っていた。特に手に入れた『ソース』が、これも俺が食べたどのソースよりも上等なもので、トンカツとの組み合わせは凶悪そのものであった。


 ラーニやシズナ、カルマなど食いしん坊組はトンカツを5枚食べてまだ食べたいような顔をしていたが、どうもこれから定番料理の一つになりそうだ。


 なお、宮廷料理人にもソースを是非譲って欲しいと頭を下げられてしまった。


 どうせまた手に入るだろうと思ってビン3本を譲ったのだが、ラーニとシズナと、そしてサクラヒメが悲しそうな顔をしていたのについ吹き出してしまう。


「こんなに美味しいものをダンジョンで食べているなんてすごくうらやましいですね。僕もソウシさんと一緒に旅をしたいなあ。ねえミュエラ、ソウシさんと一緒にダンジョンに入る約束もしたし、ソウシさんたちがいるうちに泊まりで行けるよう、きちんと予定は立てておこうね」


 とリューシャ王が言っていてミュエラを渋い顔にさせていたが、まあそれくらいの息抜きがあってもいいのではないだろうか。


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― 新着の感想 ―
こんばんは。 多分コピペ?の影響とは思いますが、後書きのあとに本編が重複しておりますので、お時間がある時にご確認頂けますと幸いです。
あれ? 同じ文章が二回も続いている?
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