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モブ系悪役令嬢は人助けに忙しい  作者: 優摘
第一章 悪役令嬢は目立ちたくない
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夢ではない!?

 怖い、怖い、苦しい・・・こんなのは嫌・・・。誰か助けて・・・助けて・・・。


 そんな風に思いながら、私は暗闇の中から浮上するように意識が戻ってくるのを感じた。


 (夢・・・)


 だったのだろうか?なんだか凄く恐ろしい目に逢っていたような気がする・・・。


 ぼんやりそう思いながら目を開けた途端、


 「アリアナ!気が付いたのかい!?」


 「アリアナ!」


 男の人と女の人の大声に驚き、そして自分を取り囲む光景を見て混乱した。


 (え?え?え?どういう事?!)


 どうやらベッドに寝ている私。そしてその周りには、どう見てもヨーロッパの貴族のような恰好をした外国人達がいて、涙を流しながらこちらを見ていた。


 「アリアナ、良かったですわ~~~」


 女性貴族はそう言って泣き崩れながら、私にとりすがった。


 (は?)


 他に私を取り囲むのは中年の男性貴族、結構イケメンの若い青年貴族、髭を生やした年配貴族、メイドのような恰好をした女性、執事のような恰好をした男性・・・


 (何?何?誰なのこの人たち?)


 パニックになりながら、


 「す、すみませんが・・・皆さんどちらさまですか?」


 そう口に出した途端、周りの空気がピシッと凍り付くのが分かった。


 そして私自身、自分の発した声に驚いていた。何故ならその声は馴染みのある自分の声ではなかったからだ。


 「え?、なんで?私の声が変!」


 思わずそう言うと、今度は周りに狼狽する様子が流れた。


 「ちょっと失礼しますよ、アリアナ様」


 そう言って年配貴族が私に近づき、手を取って脈を測ったり、目を覗きこんだりする。


 「脈はかなり高めですね。アリアナ様、ちょっと舌を見せてください。うん、異常はない。熱もなさそうですが、どこか痛い所や、苦しい所はありませんか?」


 私の身体をを色々チェックする年配貴族を押しのけて、私は混乱のまま思わず身体を起こした。


 「痛かったり、苦しい所はありません!っていうかアリアナって誰ですか?ここはいったい・・・」


 そう言いかけた時、自分の顔の横にふわりと流れる髪を見て驚愕した。


 (これ・・・?)


 自分の頭から生えている、長いふわふわの髪をつかんでまじまじと見た。だって、それは見事なハニーブロンドだったから。


 私はカッと目を見開いて周りを見まわし、サイドテーブルにあった手鏡をひっつかんで顔を映した。

 すると鏡の中には10歳くらいの、可愛い顔立ちだが気が強そうな外国人の女の子が、真剣な表情でこちらを見ていたのだ。


 「う~ん・・・」


 「アリアナーっ」


 私はまた意識を失った・・・。

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