第2話目
202X年4月1日
水戸駅北口
???「ここが国際迷宮探索者組合の日本茨城の水戸支部かー」
旧丸井ビルの2F・5F~10Fを使用し探索者の登録・迷宮や魔物などの情報管理・相談等が行われている。
この日竜ヶ﨑辰馬は探索者になるために鉄道に揺られ水戸駅までやって来た、ワクワクした気持ちで硝子の少し重めの扉を開き施設奥の受付カウンターへ進む、奥のカウンターはやはり人によっては休日だからかそこそこ並んでおり四人体制でも一列あたり5人は並んでいる状態だった。
各カウンターの職員の性別や容姿が分からないので適当な列に並び待つこと15分漸く自分の順番となり職員と対面する。
職員の容姿は顔も採用基準に含まれていたのかって言うくらい容姿端麗だったが声は少しハスキーなお声だったが気圧されず要件を伝える。
竜ヶ﨑「すみません探索者登録をしたいのですか?大丈夫ですか?」
職員A「はい大丈夫ですよマイナンバーカード等の写真付きの身分証明出来る物をご提示してください」
言われた通りに鞄からマイナンバーカードを取り出し職員に渡す
職員A「ご登録情報に齟齬がないか確認させて頂きます」
職員はカウンター内にあるPCで何かを調べたりカードに記載された写真と自分の顔を見比べたりと様々な事を行うこと数分登録の重複無し等の条件項目のチェックが終わり探索者登録に進む、受付の職員が担当の職員呼び出しその職員に連れられて別の部屋に移動する。
その部屋で血液検査等の検査やちょっとした誓約書等の書類を記入しそれらが終わると職員が部屋の奥から高性能なマッサージチェアのような椅子型の機械を台車に載せて持ってくる。
職員B「竜ヶ﨑様、探索者になるにあたり装備の適性検査をさせて頂きます、椅子に力を抜いてリラックスしてお座り下さい」
職員に言われた通りに椅子座り脱力すると椅子がリクライニングしていき、気がつけば天井を見る体勢になっていた。
職員B「そのままリラックス状態でいてください検査は5分~10分程かかります、眠ってしまっても構いません」
機械に身をゆだねていると眠気に抗えずそのまま眠ってしまうと頭と胸それから臍の下あたりが熱を帯びはじめ暑くなる、胸と丹田のあたり熱くその熱が次第に全身の骨へ伝達し始めるがしかしそんな状態でもかなり眠いと言った状態が続く。
―――――
それから十数分後
目が醒めた時には身体中の熱も冷め、気のせいか体の軽く感じちょっとした全能感のようなものを感じていると自分が起きたことに気がついた職員が声を掛けてくる。
職員B「竜ヶ﨑様どうやら目が醒めたようですね、御体調のほうはいかがですか?」
ゆっくりと上体を起こし職員に返答を返す。
竜ヶ﨑「はい大丈夫です、ただ何か身体中をめぐる熱はなんだったんですか?」
職員B「熱を感じられたのですか?う~ん私には分かりかねます。」
職員B『これは魔導具からの魔力での覚醒現象でしょうか?珍しいケースですね、念のため上に上層部に報告しておきましょうか』
職員B「恐らくは探索者になるに上にでは問題無いと思いますます、それから貴方の装備武器の適性はこうなっておりますね」
そして職員は機械から出力された紙を此方に提出してきた。
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竜ヶ﨑辰馬
近接武器適正
<短剣C><片手剣-><両手剣-><片手槍-><両手槍C>
<片手斧-><両手斧-><両手鎌-><片手刀D><両手刀->
<片手棍‐><両手棍C><格闘C>
中遠距離武器適正
<弓B><弩B><片手銃A><両手銃A><鞭-><投擲B>
防具適性
<軽装鎧B><中装鎧B><重装鎧B>
<布鎧B><革鎧B><金属鎧E>
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職員「えぇーとランクはA~Eの5段階になっております、そして竜ヶ﨑様の装備適性は近接は短剣・両手槍・両手棍・格闘にある程度適性がありますねそして中遠距離の適性は弓・弩・投擲は2番目に適性があります・・」
職員B「そして最後に片手銃適性と両手銃適性がA判定となっておりますこの適性から当ギルドでの装備品の貸出は銃器と言いたい所ですが」
職員B「現在当ギルドで保管し貸出可能な銃器類はありませんので1つ適性のランクが下がりますが迷宮産の弓か弩は貸出可能です」
職員B「因みに迷宮で発掘された銃器関連の装備は基本的に警察か自衛隊等国家機関が全て買い取りをされています」
職員B「なので民間には出回りづらくなっており民間で所有をしている方は自身で発掘された物を御売りにならず所有登録された方か研究によって製作された劣化品の物となっております」
竜ヶ﨑「それなら将来銃器を使用したいですから弩で御願いします」
職員B「分かりました、では幾つか初級の貸出品を提示させていただきます、その後試射したのちに貸出手続きをさせていただきます」
職員Bに連れられて以前は地下駐車場だったエリアへ向かう、そこにはサンドバックや鎧を着させられた案山子や射撃の的が置かれていた。
その風景に呆けていると検査担当の職員とは別の職員が立っており更にその直ぐ側のテーブルの上に中世の旧い型の弩タイプ、片手持ち可能な片手弩タイプ、両手持ちの両手弩タイプ、そして一次大戦中に使用されたとされる手榴弾発射用の榴弾弩砲タイプ等々様々な種類の弩が置かれた。
職員C「あぁ~適当な弩を手に取ったら彼方の的へ数発試射してみてレンタル品を1つ決めて下さい」
職員に言われた通りに幾つかの両手弩タイプのクロスボウを手に取りストックを肩に当てて構え構え易い物を1つ選び試射用のレーンに向かう。
試射用の太矢をクロスボウに番えクロスボウの銃底に肩を当て構えダミーターゲットの頭部真ん中に狙いをつけ1射目を放つ、クロスボウから放たれた太矢は狙った所から少しズレ狙った所の左下に刺さる、第2射目は1射目のズレを修正して射ってみると今度は頭部から少し離れた位置を通り過ぎた太矢の軌道は右に曲がり重力で下に落ちる軌道を描いて的から外れた。
2射共に重力落下の軌道はほぼほぼ同じ角度で落ちたきたするが左右どちらかに曲がるのは何故なのか気になって両方を回収して確認してみると太矢の矢羽根が1射目が反時計周りに少し羽根が捻れおり2射目は時計周りに羽根が少し捻れていた。
これは撃つ前に毎射毎射確認が必須なのか考えていると装備担当職員Cが声をかけてきた。
職員C「竜ヶ﨑様如何されましたか?」
なので先ほどおきた確認事項を職員Cに聞くと右廻りは此方の職人が製作した物で左回りはダンジョン内で回収された物が置かれているそうだ。
そう職員Cは答えたタイミングで何かを思いだし確認するように手元のタブレット端末を操作し何処かに内線を掛ける。