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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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パニック関連

一人いなくなるだけで全てが良くなる

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

「こんなもんか」

 地面でのたうってる、いや、ずたぼろになってる者を見下ろして手をとめる。

 散々に殴打された体は確実に骨が折れている。

 それも一カ所や二カ所ではない。

 だが、それを気にする者はいない。

「じゃ、仕上げに入るぞ」

 その声に、転がる者を囲む者達は静かに返事をした。



 転がってるのは、とある会社にいる女社員。

 パワハラやモラハラの常習犯だった。

 勤続年数の長さから役職はなくても上に立つ立場にいた。

 それを使って勤続年数が浅い者達をいびっていた。



 当然恨みを買う。

 何とかしたいと思う者も出てくる。

 なんなら自分が、と覚悟を決めて腹をくくろうとした者すらいた。

 そうした者達の相談を受けて、女社員の処分を請け負う者達がやってきた。



 世の中、何かにつけ専門家というものがいる。

 相応の対価を支払えば、求めた仕事をしてくれる者が。

 問題のある人間の処理を請け負う者も当然ながらいる。

 そうした者達が仕事を引き受け、女社員という問題の解決がなされた。



「じゃあ、あとはいつも通り」

「はい、お疲れさまでした」

「お疲れさま」

「お疲れさまっす」

 口々に挨拶をしてその場を離れる。

 あとは件の女社員が行方不明になれば作業完了だ。



 これで困る者はいない。

 職場は活気を取り戻し、業績を向上させるだろう。

 その場にいる者達の気分が良くなるからだ。



 気分や気持ち、心というのは様々な影響をもたらす。

 これが落ち着いていれば、頭も体も効率よく動く。

 当然、仕事も効率よく進む。

 業績が上がる、高いところで安定するようにもなる。

 あるいは離職率の低下など、業績にはならない別の要素が好転する事になる。

 たった一人、人間が消えるだけでだ。



 逆に言えば、たった一人が業績などに悪影響を与えてる事になる。

 それがどれほどの損失になる事か。



 まず、下がった業績。

 これによる損失がどれくらいになるだろうか。

 それこそ、人間一人分の人件費くらい落ち込む事もあるだろう。

 それが丸々回復するのだ。



 加えて、問題の人間一人分の人件費を支払わなくて済むようになる。

 あわせて、人間二人分の費用が浮く事になる。

 決して小さな数値ではないだろう。



 逆にいえば、問題のあった女社員がいただけで、毎年これだけの損失があったという事になる。

 毎年の累積損失は馬鹿にならないほどの数値になる。

 今後も放置していたら、この損失は更に拡大していた。



 それを消したのだ。

 会社にとっても大きな福音になる。

 処理業者達にそれなりの金額を支払っても充分にお釣りがくる。



 色々な意味で清算をはたした処理業者は、手にした金を仲間に分けていく。

 その上で声をかけていく。

「忙しくて悪いけど、次の仕事が入った」

 ここのところ連続で仕事が入っている。

 商売繁盛はありがたいが、連続だとやはり疲れも出てくる。

「一旦、休日を入れて、それから取りかかりたい」

 最高の仕事は、最高の体調から。

 そう確信してる処理業者は、仲間にそう言って骨休めを命じた。



「大変な仕事だけど頑張ってほしい。

 お客さんが待ってるから」

 その声に仲間は、「はい!」と笑顔で返事をする。

 誰もがこの仕事の重要性を理解している。

 誰かが助けを求めてるのを知っている。

 だからこそ、誰も逃げたりしない。

 仕事に埃を抱いて取り組んでいる。



 だが、そんな彼らだからこそ、今は休ませる。

 放っておいたら延々と仕事をしてしまう。

 勤労は美徳だが、度が過ぎれば体も心も壊す。

 それでは意味が無い。



「まずはゆっくりしよう。

 仕事はそれからだ。

 いいな?」

「はい!」

 明るく元気な声を処理業者は笑顔で受け止めた。

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