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第6歩 『知りたくなかった真実』

 学校から帰宅して、お風呂や夕飯を終えて自室にいるとゆきがやってきた。

 

 放課後、雪に『今日の夜、紗代のことを詳しく知ってそうなやつから話を聞く』というメッセージを送ったら『私も聞く!!!』とすぐに返信が来た。


『詳しく知っていそうなやつ』というのはもちろん冴島さえじまのことで、あいつなら俺の知らない紗代の情報をもっている可能性が高い。


 ちなみに、このことは美喜多みきたさんにも連絡してある。彼女も雪と同様で話し合いに参加したいと返信が来たので、今日は4人での話し合いになる。


『ビデオ通話にする意味ありますか?なんだか恥ずかしいんですけど』


 部屋着姿の美喜多さんが画面に映っていた。部屋着どころか私服姿も見たことのない俺を凄く新鮮な気持ちにさせてきた。


 っていうか、美喜多さんが恥ずかしがる所為で俺も自分の姿が気になってきた。おかしなところないよね?部屋着ダサくないよね?髪型可笑しくないよね?


 風呂上り、いつもより念入りに髪を乾かしながらセットをしたのは内緒。私服も俺の持っている中では一番シンプルなのを選んだ。


「ビデオ通話については冴島の監視が目的だから、美喜多さんはカメラオフにしてもいいよ」

『え?!そうだったの?!まだ俺怪しまれてたの?!』

「そりゃあ、まぁ。紗代あいつと仲良いし、あまりにも俺のことを簡単に信じるから逆に怪しいというか」

『私も冴島くんの話を全て鵜呑みにする気はありません。せいぜいボロを出さないように気を付けて発言することです』

『今日って俺の尋問をするんでしたっけ?!』


 冴島が抗議の声を上げている。正直、冴島のことは特に疑ってはない。これはあくまで美喜多さんと雪の警戒心を解くための雰囲気づくりのつもりだ。美喜多さんは分からないけど。

 おそらく冴島もそれを察していて本気で悲しんでいるわけではないし、怒っている訳でもない、持ち前の明るさと人付き合いの良さで場を盛り上げようとしてくれている。

 

「じゃあそろそろ、話し合いを始めましょうか、先輩方!」


 先程までの空気づくりがいい効果を生んだのか、雪が率先して仕切ってくれた。

 雪はこの会議に参加している俺を除いた三人の中で一番信頼できるので、仕切り役をしてくれるのは安心できる。


「とりあえず、まずはお兄ちゃんの話から始めましょう」


 他の二人が頷くのを確認してから、俺は一度呼吸を整えた。


「わかった。じゃあ、まずは―――」


 俺は紗代と付き合っていたこと、告白は彼女からしてきたこと、昨日見た紗代と見知らぬ男のことを二人に話した。

 

 俺の話を聞いた、冴島は驚いたような仕草をして、美喜多さんは変わらず落ち着いていた。


『紅貴と紗代が付き合っていたのは今日初めて知ったよ』

「その......デートも控えていたんだ。外で知り合いに会ったら気まづいって言ってたから、半年で数えられるほどしか紗代とは遊んでない」

『なるほどな。それなら俺たちに気づかれないように出来るわけだ』

「お兄ちゃん、たまに紗代さんと遊ぶことになった時、私に嬉しそうに相談してくるんです。何を着たらいい?とか、どう接したら嫌われないかなとか。そんな姿を知ってるから、私紗代さんのこと......」

『雪さん、あなたの気持ちは分かります。ですが、今は落ち着いてください』

「はい、すみません」

『謝る必要はないですよ。兄想いの優しい妹さんですね』


 美喜多さんの言葉に雪が少し照れたような表情を浮かべている。確かに今は感情任せに動いていいタイミングじゃない。もっと、情報が欲しいんだ。


「まとめると、俺は紗代のことをストーカーしていないし、紗代も仕方なしに俺と付き合っていたわけではない。純粋な気持ちで付き合っていたんだ。それを知っているのは俺と紗代、そして雪の三人―」

『ちょっといいか?』


 冴島が控えめな挙手をして注目を集めた。何か言いたいことがあるみたいなのだが、どこか気まずそうにしている。彼のこんな姿を見るのは初めてだ。


「どうした?」

『いや、そのなんだ。言いにくいんだけど、紗代は......お前のこと好きじゃなかったぞ』

「えっ?!」

『寧ろ......嫌ってたよ』




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