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第26歩『慎重に......順調に』

〜雪 視点〜


『おーけー!じゃあ手筈通り、SDカードだけ抜いて、ビデオカメラは元の位置にね』

『はい。すみませんが冴島先輩は引き続き監視をお願いします』


 冴島先輩にビデオカメラを発見し、データ内容を確認したことをメッセージで伝えた。

 ビデオカメラを再びぬいぐるみの中に戻すと、私たちは急いで木下家を後にした。


「これで、美野里ちゃんを襲っていた証拠が手に入った」

「うん......でもやっぱり、バレたら怖いなぁ」

「言ったでしょ、もしどこかでこの事で脅されたら、このデータを音声だけばら撒くって、逆に脅してあげればいいって」


 木下陣はこのデータに関しては公にしたくないだろうから、誰かがいるところでは美野里ちゃんに詰め寄ることも出来ないはずだ。

 

「お兄さんの方は上手くいったのかな?」

「さっき美喜多先輩から連絡があって、上手くいったみたい」


 美喜多先輩はお兄ちゃん達と同じファミレスでいざとなった時に出てもらうようにしていた。

 紗代さんの周りには誰がいるか分かったもんじゃなかったから。


「月曜日が楽しみだなぁ」


 本当は動くのは明日の日曜日でも良かったのだが、木下陣が外出をする確実性がなかったことと、美野里ちゃんの両親が家にいると動きづらかったことを踏まえると安全性が乏しかったので、今日実行することにしたのだ。

 ちなみに、美野里ちゃんは今日と明日は家に泊まることのになっていて、お母さんとお父さんには『三森ちゃんの親が海外出張に行くことになって大変だから』と適当な作り話で誤魔化している。

 

(全部片付いたら、ゆっくり話そう)


 その為には、月曜日の作戦は必ず成功させないと。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あんな勢いだけで話して、どういうつもりですか?」

「え?」


 紗代を帰した後、俺は同じファミレスで監視をしていた美喜多さんと合流して、説教を受けている。


「明日にでも復讐できるって、はったりをかましてました」

「う、嘘じゃないし。やろうと思えばできるし」

「出来ないでしょう。まだ準備は整ってないんですから、明日充分に時間をとって準備を進めるという話だったはずです」

「......はい」

「はぁ......まぁ、結果的にあなたのはったりに焦った桐谷さんが予定通りの動きをしてくれたので助かりましたけど」


 そういうと、美喜多さんはスマホを取り出して、何かを確認している。


「向こうも問題なくデータの入手に成功したみたいです。今は、峰山家に帰宅されたそうですよ」

「よかった、二人ともなんともなくて」


 正直、雪をあの家に行かすのには恐怖しかなかったが、冴島が協力してくれたおかげで、大きな不安要素が消えていたのは大きかった。

 

「それにしても、木下先輩の部屋にそれこそ監視カメラでも置いておけば良かったんじゃないですか?」

「それが出来たら紗代の不安要素はなくなるんだけどな。見つかったら、色々怪しまれて作戦失敗する可能性もあるからなぁ」


 一応気休め程度対策はしてある、はずだ。

 これに関しては雪と美野里ちゃん.......それと、吉田さん次第になる。


「吉田さんの方はどうだろうね」

「まぁ、彼女なら心配ないでしょう」


 その言葉通り、俺が美喜多さんと別れて帰宅して、雪と美野里ちゃんと話していると『見つけたよ』と吉田さんからメッセージが届いた。

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