3 恋愛相談ときっかけ
今回R15な単語ありです。
だんだん大人しめなタイトルつけるの慣れてきたかも…?
そんなことないか。
「結姉、いい加減に起きろよ!」
そんな声が聞こえて体が揺さぶられる。目を開けると奏良が私の肩を掴んでいた。
「おはよ。さて問題です。今何時でしょうか」
「え?わかんない。何時?」
「夜の6時!結姉何時に寝たの!」
「えーと…帰って来たのがお昼の少しあとだったから午後の2時くらい?って私4時間も寝てたの!?」
「そうみたいだね。結姉、寝癖とかいろいろすごいから顔洗ってから下に降りて来いよ。母さんがそろそろご飯の準備始めるから手伝えだって」
「了解」
そう言って奏良は勉強するからご飯が出来たら呼んでと言って自分の部屋に戻った。改めて考えてみると奏良とも血がつながってないんだよなぁ。なんか不思議な感じがする。そんなことを考えながら顔を洗って下に降りる。お母さんはもう夕飯を作り始めていて私を見て「おはよ。良く寝てたみたいね」と言う。私は喉が渇いたので水を飲んで居るとお母さんが話しかけてきた。
「ってかお泊まりならちゃんと言ってよね!お父さんなんかうろうろしっぱなしでもうホントに鬱陶しいくらいだったんだから!………………避妊はした?」
「ゴホッん”ん”」
「あらあら大丈夫?」
いや、お母さんのせいでむせたんだからね!?そう思いながらも息を整える。お母さんは気遣うように私の背中をさすってくれてるけどさ、そうしたのお母さんだからね!?一通り落ち着いたのでお母さんに説明する。
「そういうことしてないよ!?」
「あら、そうなの。朝帰りだし、そう思っちゃうわよ。これからは連絡と避妊忘れないでね」
「まず瑠唯くんとは付き合ってないよ!」
そう叫ぶとお母さんは心底驚いたような顔をする。なんでよ。付き合ってないものは付き合ってないよ。話をしながら夕飯の支度を進める。
「私はあの話にも混ざってたからてっきり……信頼関係が見える気がしたし」
「あれは……私が1人で事実を受け止められるか分からなかったから相談してた瑠唯くんに付いてきてもらったの。付き合ってはない…告白はされたけど」
「あらあらあらあらあらあらあらあら」
あらが多いな。そんなに予想外なの?
「告白だって!青春ねー!で?結華はなんて返したの?」
「まだ待ってって言ってる」
「そう言うのは早めに返事しなさいよ。後悔することになるわよ?」
……………………………………それはわかってる。
「貴女は深く考えるの苦手だものね。情報処理が追いついてないのも無理ないわ」
「うん…私、ちゃんと向き合うよ」
「ええ、それがいいわね。………よーし!そうと決まったらご飯作りましょ!結華は昨日お父さんに心配かけちゃったんだから何か喜ぶものでも作ってあげなさい!」
「はーい」
そう言って私も夕飯づくりに参加する。お父さん何が喜ぶんだろう?
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結局お父さんには鳥皮ポン酢を作った。お父さんは昨日連絡しないで朝帰りしたことに少し怒ったみたいだったけどおつまみとしてそれを出したら喜んでくれたからまあ良かったのかな。我が父ながら現金なやつだなぁ。
そう考えて今日一日の疲れや何やらをお風呂で癒す。私はお風呂の時間が好きだったりする。だって温かくて落ち着いてさっぱりするし。今日は朝から疲れたから、柚子の香りの入浴剤入れちゃおうっと。
暖かいお風呂に入りながら瑠唯くんのこと、両親のこと、これからのことを考える。いつもならお風呂で考えごとをしてると寝ちゃうんだけど今日は沢山寝たので眠くない。ちょうどいい機会だ。うん。
お父さんとお母さんは私を今まで育ててくれた。藍姉はちょっと口が悪いけど私が困ってるときいつも助けてくれる。奏良は思春期真っ盛りで生意気なところもあるけど姉思いのいい弟だ。なんだ、こう考えてみれば藍姉の言っていた通り血がつながってなくても家族じゃん。本当の両親のことが気にならないと言ったら嘘になる。けど瑠唯くんが泣かせてくれたおかげで随分と気が楽になった。瑠唯くんには感謝しかない。パパとママと話した記憶はこれっぽっちもない。でもそれを不幸とは思えない。きっとお父さんとお母さんが沢山愛情を注いでくれたから。うん、私達は血がつながってあくても家族だ。それだけは変わらない。
そう結論を出してお風呂から上がり藍姉にメッセージを入れる。
”藍姉、ありがとう。結局、何も変わらないね”
そう送信すると秒で返信が帰って来た。早すぎるところが藍姉らしいなと思って笑ってしまった。藍姉は
”そうね何も変わらない。私が変わらせないわよ”
頼もしい。いつも頼ってばかりで申し訳なる。でももう少しだけ頼らせて、後彼氏さん邪魔してごめんなさい。そう心の中で謝って藍姉に瑠唯くんのことを相談する。メッセージに既読がついたと思ったら電話がかかってきた。
【ちょっと結華、告られたの!?】
「うん、まあ…」
【悩んでるのね。私としてはじっくり相談に乗ってあげたいところだけど…ちょっと今時間ないから手短に。まず、結華は瑠唯くんと他の女子が仲良く話していたらどう思う?】
「え………少しもやっとする」
【そうね、私だって自分の彼氏がそうしていたらそう思うわ。じゃあ自分と話していてどういう気持ちになる?】
どういう気持ち…どういう気持ちって言われても…。
「ただ、楽しいなぁ」
【そうなのね。私には結華のその気持ちが一概に恋だと言い切ることはできない。けど結華は少なくとも瑠唯くんを嫌ってはいなんでしょう?】
「まぁ、そうだね」
【じゃあ後は自分でどうして他の女子と話すことにもやっとするか、考えなさい………まぁもう答えは出てるようなものだけど】
「え?何?最期の方聞こえなかった。もっかい言って」
【聞こえてないならそれでいいわよ。お母さんに明日はそのまま大学に行くって言っておいてね】
「わかった。おやすみ」
それだけ言って藍姉は電話を切る。なんかお邪魔だったのかなぁ。申し訳ないなぁ…。
「クシュンっ!…髪乾かさなきゃ」
風邪ひいたら大変だな。明日も学校だし…。
私は一旦考えることを放棄して髪を乾かし、明日に備えて寝ることにした。
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私は瑠唯くんに告白された翌日いつもより早く起きた。朝ご飯をゆっくり食べて、いつも髪はポニーテールにして学校に行ってるけど時間があるので髪を巻いて行くことにした。髪を巻くのは休みの日しかしないからなんだか不思議な感じがするけど、ウキウキする。そうこうしてると家を出る時間になったので家を出る。遙かと合流してしゃべりながら学校に向かう。いつもと変わらない日常。でも私の心は違う。何がって聞かれたらなにかは言い表せないけれど、でも何かが違うんだ。
授業が終わって部活の時間になった。今日はただのミーティングだった。今回のお芝居は動画に納めてコンクールに出すようだ。今までメインで出演していた人は全員先輩だったから誰も演じる人が決まっていないらしい。それで今日渡された台本のオーディションを1週間後にするから練習して来いというもの。ちなみに私達2年生は全員強制で1年生は希望者だけらしい。先輩が引退されたとはいえ、合計で40人近くいる部員数だから全員に配役はできない。けどチャンスは与えなきゃいけないって話になった。基本的にうちの部活は1年生は裏方に回って裏方の仕事をできるようにする。2年生からはそれぞれの適正に合わせた配役になる。1週間は部活は休みということにするからその間に練習かぁ。私は演劇部と言ってもずっと裏方として活動してきた。瑠唯くんは結構主演とかやってたな。
ミーティングが終わって遥と一緒に帰っているとオーディションの話になった。
「私は別に演じたいってわけじゃないんだよね。結華は?」
「私は…やってみたいなっては思ってるよ」
「あ、そうなんだ…!じゃあさ、今から私の家で台本の読んでみない?」
「それいい!その後にセリフ合わせ少しやろう!」
「さんせーい!」
そう決まったからにはコンビニで少しお菓子を買って遥の家に向かう。彼女のお母さんに挨拶して遥の部屋に。じゃあさっそく台本を読もうってなった。私と遙は読むスピードが全然違うから別々に読み始める。
今回も拙い作品を読んで下さりありがとうございます!
面白かったよ、なんだかんだで続きが読みたいなどなど思って下さった方はブックマーク、評価して下さると嬉しいです!作者の励みになります(´∀`*)