~ニートと優等生の大冒険~
青春の形とは…少しリアルで少しウキウキ…まるで夏休みのような感覚になれる青春ラブストーリー!ここに始まる!
ミィン、ミィンミィンミィン…
ミィン、ミィンミィンミィン…
入道雲の隙間から見える太陽が蝉の鳴き声と交わり額から大粒の汗が流れる。
「あつ…」
思わず声を漏らしてしまった。もう8月か…
都会のビル群が夏の暑さをさらに引き立て、行きかう人々は疲れたように肩を落として歩いていく・
こりゃカフェで一服するかな…そんなしゃれたことを考えた。
違う人の肩に当たった。
俺は汗をかいていて、肩にも汗がこぼれて濡れていたからだろうか…若い女の人は肌を前回に見せた色白の肌をまるで何か嫌なものに触れたようにひっこめた。
「可愛いなぁ…」
不覚にもそう思ってしまった。そろそろカフェテリアにつく。
カフェテリアについた。そして俺は個室に入る。
え?何?カフェテリアは個室に入らない?
甘いなぁ…
ここが俺の…カ・フェ・テ・リ・ア♪
いや、ネカフェ(ネットカフェ)じゃねえか!
「フフッ…」
自分のネタに笑うなんてこりゃ末期だな…
ここは絶好の暇つぶし場所だ。漫画もあるしネトゲ(ネットゲーム)もできる。
親には疎まれ、家に自分のいる場所がなく暇があればいつもここに来る。
「カチカチッ!」
声でクリック音を表現した。そしてID、パスワードを入力する。
テレテレテレ~
「待ってろ、おめぇら…今助けに行くからな!」
毎回このネットゲームを開く瞬間が一番興奮する。
そしてオンラインゲームに入り込んでしばらくたった。
毎日同じ仲間、そして代り映えのない戦闘画面。
脳みそに暇な感覚が戻ってきた。
そして考えるのは自分の事と親の事だった。
「いやぁなことぜんぶぅ、わすれちゃえなぁい…どうすれば~いいのぉ~♪助けてぇよマイフレ~ンド」
替え歌をして必死に頭の中から消そうとする。
「あんた、いつになったら就職活動始めるのよ!」
「そうだぞ!俺たちも無限に金があるわけじゃないんだからな1」
「そうよ、それに比べて雄一はすごいわよ!あんたとは大違い!」
「成績もいいし親孝行者だよ。お前も雄一を見習え!25にもなって…」
いかんいかん!昨日ぼやかれたセリフが頭の中によみがえる。
ったく…パパとママめ…弟の雄一の事ばっかり言いやがって…俺は兄だぞ!
そんな強気なことを言ってみる。
「俺だって…カタカタカタ…」
俺は躍起になってネトゲに集中した。
しばらく時間がたった。そろそろ夕方か…
家に帰ることにした。
なんだか背中が重い。毎日ネカフェから帰る道端は方が重い。
サラリーマンとすれ違う。疲れ切った肩が俺の肩とぶつかった。サラリーマンは少し頭を下げて通り過ぎていった。
「仕事をすればああなるのか…」
しばらくしたら家についた。
もう夜も近くなっているのだろうか。赤い夕暮れの空にうっすらと白い月が顔をのぞかせている。
「ただいま…」
ばつが悪そうに家に入る。
「あら、健一お帰りなさい。」
台所から声が聞こえる。父親も今日は久しぶりに早く帰ってきているのか靴がある。だがお帰りの声はない「はぁ…」
ため息が漏れる。
俺はそのまま二階に行った。
とにかく一人になりたかった。この重苦しい空気が嫌だ。
下から声が聞こえてくる。父親の声だ。
「雄一はまだ帰ってきていないのか…」
そういや雄一遅いな…
しばらくすると雄一が帰ってきた。
「ただいま母さん、父さん」
そしたら下から親の声が聞こえてきた。
「健一もおりてきなさぁい!ごはんよぉ!」
ほいほい…俺も下に降りた。
「今日は雄一の大好きなカレーライスよ!」
「やった!」
「嬉しいか!雄一!その野菜はなぁ父さんが切ったんだぞ!」
「こりゃ色がいいな!匂いもいい!真心こもってんねぇ…」
俺もパパとママに感謝の言葉を伝える。
「お兄ちゃん、嬉しそう!」
「おう、カレーはうまいからな!」
雄一がつぶやいた。だがパパとママは何も言わない。
しばらくするとパパが一言…
「お前のために切ったわけじゃないぞ」
冷たい一言…心に響く…
「まぁまぁ、父さん。健一もおいしいっていているんですから素直に喜びんさい!」
「こんな親不孝者に喜ばれても困るわお!」
これがアメとムチか…でも母さんも起こるときは起こるから実質ムチとムチか…
ふと雄一の顔をみた。
目を落としてカレーをパクパク食べている。
「雄一…」
「うん?」
雄一はまた笑顔を返した。だがうまく笑えていない…
こりゃ何かあったな…
「雄一。あとで俺の部屋に来い。ゲーム、教えてやんよ。」
「コラ!健一!雄一の勉強を邪魔するんじゃない!」
雄一に何があったか分からないが雄一が悩みを抱えていることはなんとなくわかった。
ここはひけない。何があったのか聞いてみなければ。。。
「たまには息抜きも必要だよ。な、雄一?」
「う…うん…」
これで何か悩みを聞ける。確かに雄一と俺はちがう。
俺は雄一にあらゆる面で負けている。だが人生経験は俺のほうがダントツだ。
25と15歳は10年差だ!ここはひとつびしっと俺の人生経験を活かして雄一を助けてやりたいと思った。確かに比べられるのは嫌だし雄一より頭が悪い、ゲームだって雄一はすぐに覚えてしまう。正直変な気分だが、かけがえのない可愛い弟でもある。ここはひとつ悩みを聞いてみよう。」
読んで頂きありがとうございます。読んでみてどうだったでしょうか。ストーリーはまだまだ序盤です。これからも暇な時でいいのでぜひ読んでください!意見、アドバイスしていただけると大変助かります。ということでヨロシク!