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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「ちょうど500文字の作品」集めました

手に入れたいもの

作者: こみや みこ

残酷な描写と暴力描写あります。

苦手な方は、ご注意ください。

 私は、全てを手に入れた。


 手に入れられる物、全てを。

 



 出来ることは何でもしてきた。



 今、望んだ物全てがこの手の中にある。









 その昔、妾だった母が亡くなり、お父様に引き取られ伯爵家に入った。でも名前を呼ばれた事もないし、お義母様も私を居ない者とした。

 憧れのお兄様にも疎まれた。


 愛に飢えた私は、勉学に励み心の隙間を埋めた。学生時代に立ち上げた事業で一財産を築き、お金で爵位を買った。


 これでお父様もお義母様も私を見てくれるかしら。


 でも現実は変わらなかった。







 ある日、お兄様が王命で赴いた戦地で散った。


 

 伯爵家の血を引く子供は私だけになった。


 

 私は、やっとお父様とお母様の眼差しを得る事ができた。







 でもまだ足りない。



 そんな時、夜会で見つけたお兄様に似たお方。


 彼の心を手に入れる為、持ち得る物全てを使った。






 そして今、全てを手に入れた。


 ああ、彼の心はこんなにも暖かい。







 それなのに。




 

「お館様、それは心ではありません」

 


「あら、間違えたのかしら。お父様とお母様の時には間違えなかったのに」







 残念ね。次は間違えないようにするわ。




 テーブルの上で優しく見守るお父様とお母様の4つの目玉にそう誓い、私は手に乗せた心臓と血まみれの剣を執事に渡した。




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