導かれし者。
「んぅ ん?」
意識が戻った。
「俺はこんなとこでなんで寝てるんだ?」
あ、そっか、足滑らして落ちて、気絶してたのか。
とりあえず、起きてこの山を出なければ。
雨もいつのまにか止んでいた。
起きて前を見た。
「こ、これは…」
「幻の…祠?」
俺の目の前には祠があった。
タッ タッ
俺は導かれるようにその祠に近づいていった。
そして、その祠の前で手を合わせた。
「うわ!」
急に目の前が白くなった。
「三好有希。お前は霊界と人間界を繋ぐことができる人材だ。お前なら他の奴ができなかったことができる。」
繋ぐ? できなかったことができる? は?
「お前誰だ!」
「ん?私か?私の名は…
ってそんな簡単に教えると思ったのか!この青二才が!
お前ごときに私が誰かなど言うはずなかろうHAHAHAHAHAHA!!!!!!」
俺は思った。
ウゼェなと。
てか、俺のこと最初褒めてたやん。
「お前には、とある能力をさずける。」
「なんとか頑張れよ!」
「いや、ちょまて、能力ってなんだ!おい!まだ話は終わっt うわっ!!」
急に目の前が暗くなり意識がなくなっていくのが分かった。
「ゆう… ゆうき… 有希!!」
「はっ!!!」
目が覚めたら目の前には春樹。
「有希…目が覚めてよかった!」
「春樹。俺はどうなってた!?」
「お前、滑り落ちていって、そこで意識を無くしてたんやろ、俺が滑り落ちていった先を探してたらお前を見つけた。」
「なぁ、祠があっただろ!幻の祠!ついに見つけたんだよ!」
「はぁ?頭打っておかしくなってもうたんか?そんなんなかったけど。」
そんなはずない!俺は見たんだ、幻の祠を!
後、なんか変な奴とも喋ったんだ!
「有希、大丈夫か?」
「う、うん。」
「とりあえず帰ろうや。話は帰ってから聞くわ。」
「分かった。」
そうして俺らはばあちゃん家に帰った。