4.1 家屋の賃貸借
今回は経済というより宅地建物関連ですね。
その中でも『賃貸借契約』についてです。
ここも多少なりとも知識を持っているとお得かもしれません。
自分はこの内容を知らずに一度損しています。
まず、本編でも普通に使われている単語ですが聞きなれない方もいるかと思われます。
賃貸人→部屋を貸す人、賃借人→部屋を借りる人
以上!
義務についてですが原文ママだとものすっごく面倒な書き方をしてるのでわかりやすくざっくばらんに直します。
賃借人(貸出)の義務
1、建物を正常にして借り手がきちんと使えるようにする
2、借り手がきちんと使えるように修繕する
3、2番で借り手が先に修繕した場合はその費用を返すこと
賃借人(借り手)の義務
1、家賃を払う
2、借りてる家をきれいに保つ
3、契約終了時にきちんときれいな状態で返す
異世界の話では賃貸人(貸出)側の義務の2番目が折半ということですね。
義務とは別に本編でちょっとだけ出た敷金。
これは、部屋を借りるにあたって債務の担保になります。
家賃の未払いとか借り手の3番目が守られていないときにこの敷金が充てられます。
敷金は使用しなかった場合は『返還の義務』があるわけですが、この返還は物件の引き渡し後……つまりは契約完了時や契約中に返還する必要のないため、契約満期時に請求しても後日と言われても問題がないわけです。
で、後日と言われてそのまんま返してもらっていなかったのが自分です。
というか、下宿だったので部屋を渡した時点で引っ越し→連絡わざわざとるほうが大変な状態なので放置だったのですが……。
本来なら義務ですので貸し手側が振り込むなり連絡するなりしなければならないんですけど、がめつくて有名なところでしたし義務の放棄を常態化していたのでしょう。
入居の際に敷金を払い部屋をきちんとした状態で返したので後日でも敷金の返還を求める権利はあったのですが、そのことを知らなかったため筆者はその権利を自ら放棄したことに該当します。
後、主人公の借りていた物件に両親が住むという内容が本編の最初のほうであったと思います。これも実は賃貸借契約の中にある『賃借権の譲渡・転貸』に含まれます。
これは家を借りる契約を別の人に譲渡……渡すことができるということになるのですが、以下の二通りのパターンがあります。
1、借り手と貸し手が同意した場合
この場合は問題なく譲渡・転貸できます。
2、貸し手側の同意を得ずに無断で譲渡・転貸(他の人に貸すこと)した場合
この場合、原則的に貸し手が「許さん」ということで契約自体を解除できます(できるというだけでしなければならないではないので注意)。例外として、ちゃんとした理由があって譲渡・転貸する場合。このときは貸し手が契約を解除することはできません。
貸し手としては契約者が変わっても、周りに迷惑をかけずきちんと月々の支払いをしてくれたら文句なんてほぼ出ないと思うのですが。
今回の場合は2番に当てはまるわけですが………
借り手は実家の後を継ぐために帰った→代わりに譲った先代(肉親)が契約を譲渡してもらい部屋を使用する
と、例外に該当することで賃借権の譲渡が成立した次第となっております。
読み飛ばし用にまとめます。
・部屋の貸し手には部屋がきちんと使えるようしておく義務と、壊れた時は修繕する義務がある。
・部屋の借り手には、家賃を払う義務と部屋をきれいに使い返す義務がある。
・敷金は借り手の不備があった際の担保として使われ、使われなかったら返さなければならない。
・部屋の貸し手と借り手の契約は別の人に貸したり譲ったりすること『も』できる。