個人的『なろう・オブ・ザ・イヤー』会場はこちらです
……会場にお集まりの皆さん、こんばんは。今年も残り後わずかとなりましたね。
突き刺すような寒さが続く中、ご足労誠にありがとうございます。
さて、今年もこの季節がやって参りました! 今や毎年恒例となった、その年一番の投稿小説を決める『なろう・オブ・ザ・イヤー』! 長い歴史を誇るこの賞レースも、今年で1000回目となりました!
今年もたくさんの小説が投稿されましたが、栄光を手にするのは一体誰の作品なのか!?
それでは早速アシスタントの鈴木さん、発表をお願いします!!
「はい! 映えある3017年、『なろう・オブ・ザ・イヤー』に輝いたのは……エントリーナンバー:4562718769、”読者は俺の読め”先生の『好きって数の大きさで決まるの?』です!!」
”読者は俺の読め”先生の『好きって数の大きさで決まるの?』!!
おめでとうございます! 会場の皆さんも盛大な拍手をお願いします!!
「おめでとうございます! 先生の作品、『好きって数の大きさで決まるの?』は見事期間内に11兆8640億6543万2003ポイントを獲得し、ブックマーク156億2334万2003、感想数も134京1345兆7642億4021万2003で、堂々と総合1位に輝きましたー!!」
素晴らしい数字ですね! ブックマークが人類の数を超えている気がしますが、素晴らしい数字ですね!!
「本当にその通りです! では審査委員長の”てこ”先生、総評をお願いします」
「はい。『好きって数の大きさで決まるの?』は452億6543万2003字に及ぶ超大作であり、最初から最後まで飽きさせない見事な物語でした。特に21億344万2003字目の、主人公が実は人間ではなく犬だった……と判明する叙述トリックが最高でしたね。ここでギミックを使って、残りの400億字どうするんだろう? と読んでいてハラハラドキドキしっぱなしでした」
流石"てこ"先生。長々とつまらない総評、ありがとうございます。それでは作者の”読者は俺の読め”先生から一言……。
「はい。皆さん、ありがとうございます。私は子供の頃から数字よりも読書……何よりも国語が大好きでした。国語の偏差値は常に75を超え、テストの点数は98を切ったことがありません。
国語は最高です。極めたら、印税ももらえますし。皆さんに国語の良さを伝えたい。時々思うんです。何で私達、こんなに数字ばっかり気にしてるんだろうって……。今日まで、私は世界中ありとあらゆる書物を読み漁りました。年間500冊は読んでいますね。今まで読んだ本の数は、1万をゆうに超えるでしょう。私の語彙力は53万です。
私は昨今の読書離れ、活字離れが許せないんです! 皆さんも国語好きを名乗るなら、せめて最低100冊は本を読んでほしい。そう思っています。祝いの席で、大変厳しい物言いになってすいません。それも、国語が100億%好きだからこそです。本当にありがとうございました……」
素晴らしい感想ありがとうございます! 先生に、もう一度大きな拍手を!
さて、ここでまだ読んだことのない方々に、あらすじを紹介しましょう。見事1位に輝きました『好きって数の大きさで決まるの?』ですが、本作は売れない小説家を父に持つ主人公の女子学生が、”どこが好きなん? こんなつまんねえ本1冊程度。芥川も夏目も読んだことないくせに、読書好きを語るなよ”などと同級生に父の本をバカにされたことから始まり……。




