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「話は、これで終わりだ」
上杉は、そう言って溜め息をついた。
僕は、彼に聞いた。
「まだ、彼女のことが好き?」
「…さぁーな…どうかな…」
「上杉くん、
僕は、今、仕事で得意先を回っているんだけど、僕の業界は、今、不景気で、僕の客先も倒産するケースが少なくない」
「…何の話だよ?」
「最後まで、聞いて、上杉。
倒産する会社って、なんか倒産する直前は辛気くさいかんじがすると思うだろ?
でも、違うんだ。どことなく活気に溢れているんだ。どことなくね。
でもね、僕には分かるんだ。ホントは、会社の皆がカナシイってことが。
今日、漫画喫茶で、僕が見た二人。後ろ姿しか見てないけど女性の方は、明らかにカナシソウだった」




