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いっこの差  作者: 夢呂
【第一章 】
9/283

かすみと航(こう) ~航目線~

これはまだ、茗子ちゃんに出会う前の話―――。



かすみは、俺の一つ上の幼なじみ。

正確には俺の姉ちゃんの友達。

家に遊びに来る度に、自然と話すようになってた。




中学一年になって、

俺はサッカー部に入った。

かすみが、マネージャーだったから。


少しでも近づきたかった。

他の男と仲良くして欲しくなかった。

俺を見て欲しかったからー―ー。



二年生になった、夏休み。

部室に行く途中で、かすみが、誰かと話してるのが聞こえてきた。

裏庭に、かすみと、有名な「春先輩」が、言い合ってるのを見かけた…。


嫌な予感で、頭の中がグチャグチャになった。


―――嘘だろ




部活が終わると、かすみに声をかけた。

「かすみさ…」

「かすみ、先輩!でしょ!?」

「良いからそんなん」

「もぅ、何よ?」

「好きなやつ…いるの?」

「えっ」

顔が…赤く染まった…。

心臓が嫌な音をたててる。


「もしかして、春先輩?とか?」

「……関係ないでしょ、航には。」


図星だ。




「なんでだよ、あの先輩、人気過ぎるし、かすみには合わないよ、諦めなよ」

「だから、関係ないじゃん」


声を震わせて、かすみが言い放った。

―――カンケイナイ


俺は全く相手にされないってことか…。




ショックで走って、家に帰った。

そこから、かすみとは話さなくなった。




夏休みが終わり、

二学期が始まってから、「春先輩」が生徒会長だと知った。

何かと目につく存在だった。

誰にも親切、周りにはいつも人がいて、信頼もされて、非の打ち所がない…。


そして、その隣にいる、女の子の存在にも気づいた。

あの子はー―、確か同じ学年のー―。


彼女は、春先輩の隣でいつも幸せそうだった。

でも、時々切ない顔をすることがあった。


あの子も、

俺と同じなのかもしれない………。



なんだか、そう思った。




それから、なぜか、彼女(めいこ)のことを目で追っている自分に気づいた。



何だろう……、この気持ちは……。










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