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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
80/283

二人の気持ち

暫くして、ようやく震えが治まる。


「落ち着いた?じゃあ行こっか」

航くんが優しく言うと立ち上がる。


「うん…」

私も立ち上がって学校へと歩き出す。


すると、そこに次の時間のバスが停まり、

西高の生徒が降りてくる。



「あれ、もしかして相田茗子と…仲西じゃね?」

「あぁキスしたって噂の…」


「澤野の彼女じゃなかったのか?」

「二股?」

「春くんとは別れたのかしら?」


私と航くんが一緒に歩いていたからか、

そんな声が聞こえてくる。


「もしかしてこれって今から修羅場じゃない?」

「かもね!春くん今バス乗ってたし」

最後に囁かれた声が聞こえたと思ったら、


「茗子っ」


ハルくんがバスから降りて、

私に気付いて走ってくる。



「じゃあ、俺、行くわ…」

優しかった航くんが、またかたい表情になりさっさと行ってしまう。



「朝から連絡しても出ないし…先に行くなら連絡しろよ…」

私の前まで来ると、心配そうにハルくんが言う。

「ごめんなさい…」


「仲西と会ってたのか…?」

先を歩く航くんに気付いて、ハルくんが尋ねる。


「違うよ、航くんはたまたまバスが一緒になっただけで…」

私が慌てて言うと、

「………隠さないで、教えて」

ハルくんが私の顔を覗き込んで言う。


「どうしてそんな表情(かお)してるのか」


さっきまで涙目だったのがバレたのか、

私はうつ向く。


「さっき…バスで…痴漢に遭って…。」

「え?」

ハルくんが呆然とする。


「…それを航くんが助けてくれて…私の震えが落ち着くまで待っててくれたの…」



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