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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
74/283

茗子の選択

「そっか…料理部ね…」

ハルくんが言った。


「うん…ごめんね」

「なんで謝るの?」


ーーーー料理部に見学に行って、

その日結局ハルくんと別々に帰っていた。


公園で待ち合わせて、今日のことを話す。


「良いんじゃない?料理部。」

ハルくんが言うけど、どこかトゲがある気がする。


今日職員室前で、

先輩マネージャーに言われたことを話したかったけど、

それは言わないでいた。


ーーーーどちらにしろ、

向いていないのは事実なんだし。


「でも、試合の応援とか行きたいな…」

私が言うと、ハルくんがゆっくり口を開いた。


「マネージャーやってる嘉津(かつ)先輩、今年で引退なんだよ…もともとプレイヤーだったのに怪我してから試合に出れなくなって…」


「そうだったんだ…」


「去年も何回か見学に来た女子は居たんだけど…

みんな門前払い。

“本気でバスケ部のサポートする気がないやつは帰れ”ってね。

ーーもしかして茗子、嘉津先輩に何か言われた?」


「ううん、違うよ。本当に私向いてないなって。全国大会に行けるレベルのバスケ部なのに、ルールも分かってない私がマネージャーって場違いだし。」


「やっぱり言われたんだね」

ハルくんが苦笑いで言う。

ーーーえ、なんでバレたんだろう…。


私が何も言えないでいると、ハルくんが言った。


「俺はさ、茗子が近くで応援してくれたら、全国だって行けると思う」

ハルくんの言葉に頬が熱くなる。


「でも、茗子が決めることだもんな。」


「ハルくん…私マネージャーにはなれないけど、応援には必ず行くよ!」

「ーーーうん」

ハルくんが私の頭をポンと撫でる。


でも、少しだけ心配…

嘉津先輩、今年で引退って…。

後任のマネージャーいないと、困るんじゃ…。



「茗子?」

「ーーん?」

考えているところにハルくんに話し掛けられる。


「早速だけど、今週末の試合、応援来てくれる?」

「もちろん!行く!」

ハルくんのことばに、私は喜んで頷いた。



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