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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
70/283

彼氏彼女

部活帰り、ハルくんから連絡が来て、

家の前の公園で会う。


「茗子、代表挨拶、良かったよ!」

ハルくんが部活帰りのジャージ姿のまま、

私に声をかける。

「ありがとう…」

私は照れながら答えると、

「頑張ったな」

ハルくんが頭を撫でる。


「クラスは?」

「うん、A組だったよ。」


「友達、出来た?」

「うん、何人か連絡先交換した…」

照れながら携帯電話を持った手をあげる。


「良かったな」

ハルくんがまた私の頭をくしゃっと撫でる。


ーーーー変わらないな…ハルくん。


「みんな、ハルくんのこと噂してたよ。カッコイイ先輩って」

「こっちは、茗子の話ばっかだったよ。可愛い首席の新入生だって。」

お互いに言いながら、何となく黙る。


「ハルくん…私、皆に彼氏って…言っちゃったけど、良かった?聞かれた人にだけ、だけど…」

おそるおそる聞くと、

ハルくんが嬉しそうに口元を押さえながら、

「あ、そうなんだ。」

と言った。


ーーーーーあれ、もしかして照れてる?


いつも笑顔で余裕なハルくんの、

かわいい一面を見て、

私は胸がギュウッと締め付けられる。


ーーーーヤバイ、すごいかわいい…。

愛おしさがわいてくる。


ハルくんが私を見ると、

「茗子、なんでそんな嬉しそうなの?」

と少し困ったように笑う。


「ごめん、なんかハルくんがかわいくて」

私が笑いながら言うと、

突然ハルくんが両方の掌で私の頬を包む。


そして、やさしく触れるようにキスをした。


ーーーーバクバクしている心臓を、

気付かれないように両手で押さえる。


ゆっくり唇が離れ、

私の真っ赤な頬を撫でると、

「茗子の方が、かわいい」

クスッと笑って、ハルくんが言った。




家に帰ってからも、

何度も思い出してしまう…。


ーーーハルくんと、初めての…キス…。

突然のことに夢なんじゃないかと思えてくる。


付き合い初めても、

頭を撫でたりしか、されてなくてーー。


ずっと今までの関係と変わらないって

思っていたけど、

キスしてもらえただけで、

“彼女”だって自信が出てくる。



こんなに胸があったかくなるなんて、

恋って…すごい。

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