クラス会
クラス会の集合時間の四時まで、
時間があるので、一度家に帰った。
鏡の前に立って、セーラー服を見る。
ーーー今日でもうおしまいなんだな…。
なんだか少し、名残惜しい気持ちがして、
着替えずにいると、
ピロンと携帯電話が鳴った。
ーーーハルくんだ。
『卒業おめでとう!今家かな?』
私はすぐに返事をする。
『ありがとう。今帰ってきたところだよ』
『今から公園で会える?』
ハルくんのメールを見て、
私は返事をする前に、公園に走っていた。
ーーーハルくんに会いたい。
公園に行くと、
ちょうどハルくんが歩いてくるのが見えた。
「ハルくん!!」
「茗子。こないだはごめんな…」
私の頭をポンと撫でて、ハルくんが言った。
「風邪もう大丈夫?」
「あぁ、もう平気!それより、卒業おめでと」
「あ、うん。ありがとう」
「うちの高校も、今日卒業式で、部活も休みだったんだ。」
「そうなんだ。私はこれからクラス会で…」
私がそう言おうとしたとき、
ハルくんの表情が少し曇った気がした。
「クラス会かぁ、懐かしいな。」
「全員参加なんだって…四時に待ち合わせてて」
公園にある時計を見ると、
「あ、じゃあ支度あるし、家に戻った方が良いね。いってらっしゃい」
ハルくんが笑顔で言った。
「あ、うん…」
なんとなく、名残惜しくて、私は言葉を濁した。
「良かった、セーラー服の茗子、最後に見れて」
からかうように言うと、ハルくんが家までの道を歩き出す。
ーーーーせっかく久しぶりに会えたのに…
時間が足りないよ…。
「じゃあ、クラス会楽しんできてね」
ハルくんが笑顔で手を振ると、
家の中に入っていく。
私はそれを見送ってから家に入る。
ーーーあ、あと30分しかない。
急いで私服に着替えて、駅前に向かう。
途中でクラスの女子達に会い、
一緒に駅前に向かう。
「茗子も、西高だよね?またよろしくね」
「うん、こちらこそ」
「うちの中学から西高に行く人、半分もいるんだってー」
「じゃあ、友達、一から作らなくて楽かもね~私は東高だから、知り合い居ないかもなぁ」
「あ、斎藤くんも東高だって聞いたよ?」
私が言うと、
「え、そうなんだ!心強いかもー」
「良かったじゃん、斎藤が居れば友達すぐ出来るでしょ」
ーーー斎藤くん、すごくフレンドリーだもんね…。
「ところでさ、こないだから聞きたかったんだけど、茗子、春先輩と付き合ってるってマジ?」
「あ、私もそれ、気になってたー!仲西くんが言ってたよね!」
「てか、前に私立中の男の子、よく正門に来てたよね?あの人は?」
「あぁ、茗子待ってるって言ってたよね、あの人も超イケメンだったー」
突然の話題に、私が面食らっていると、
ちょうど駅前に着いた。
駅前には、既に半数が集まっていた。
「茗子~!」
「あ、菜奈ー!」
菜奈が私に気づいて、話し掛けてくれる。
私は質問には答えないで、
菜奈のところに行こうとする。
「め・い・こちゃーん?質問に答えてないですよ~?」
両腕をガシッと掴まれて、尋問される。
「えぇっと…付き合い始めたのは本当で。私立中の子はハルくんの弟のサクちゃんで…私の幼馴染みで…」
「えっ、あのイケメン…春先輩の弟なの?」
「道理で…春先輩に似てると思った…」
「私は弟くんの方がタイプだわー、硬派な感じ!」
私の説明が終らないうちに、皆が盛り上がって、
もう聞いていない。
ーーーーホッと息をついて、
私は菜奈の元に向かう。
「本当、イケメンな幼馴染みで羨ましいー!」
そして、
クラス全員が揃うまで、
女子たちはその話題で盛り上がり続けていた。




